大前研一のあまりの無知に愕然
週刊ポストで「ビジネス新大陸」の歩き方と言うコラムを連載している大前研一。言わずと知れた、マッキンぜー日本支社長をやってからコンサルタントなんかをやって偉そうにしている人だ。わりとIT系の話を好んでするのだが、今週のコラムをちらっと見て(別に普段読んでいるわけではない)愕然。カード事業のこれからの勝ち組論みたいなのを展開しているのだけど、まあ、最近の話の流れからして電子マネーの話になるのはわかる。互換性の問題や統合(というか共用化か)の問題はホット。ところが。
おい。
また、同じソニーで方式の違うFelicaとEdyを出しているのも中途半端でいただけない。もし5〜6年前のソニーのトップにリーダーシップとビジョンがあれば、どちらかに絞って世界の電子決済を制することも夢ではなかったと思う。
電子決済とICカードの電子マネーを混同している時点でもはや聴くに値しない言説であることは言うまでもないが、Felicaが何であるか、Edyがなんであるか*1、全くわかっていない。Edyが登場して何年経っていると思っているのか。Felicaがおサイフケータイに使われていて、大抵Edyのソフトが最初から入っているのも知らないのであろうか。というか、ICカードを小銭代わりに使ってみちゃったりしたことはないのだろうか。FelicaがICカードとしてのハードの方式でEdyがブランドというか、実際の決済側の方式すなわちソフト側の方式であることくらい、IT業界の人は大抵知っている。
彼はこのようなちょっと調べれば3秒でわかるような事実誤認をするような人物だということをよく把握した上で書いたものを読むべきであろう*2。これを読んで発言して高校生の息子にバカにされる中小企業の経営者の姿が目に浮かんでならない。
私にいわせれば、異なる企画が乱立している現状は、各企業のビジョンとリーダーシップの欠如にほかならない
デファクトスタンダードという言葉も御存じないようである。なぜ香港のオクトパスカードを引き合いに出すのか。行政がリーダシップを取らない限り、勝ち残ったものが標準となるのが自由経済市場というもので、これを無駄と言ってしまったらあなたの仕事はない。統一しようとしている現状に前向きな提言なんぞはできないのか。
*1:http://arena.nikkeibp.co.jp/qa/yougo/20040907/109397/
*2:ちょっと検索すればいかにソースに当たらないで曖昧な自分の記憶や思い込みで記事を書いているかの例はいくつも出てくるわけですが