糾弾すべきはこっちだ

高木浩光@自宅の日記 IPAセキュリティセンターさえディープリンク禁止などとしているわけだが。僕もなんとなく界隈の尻馬に乗って個人に対するネタに追随していた感が今思えばありますが(それでも一般論に終始したつもりですが言及はしていた)、本来はこっちがターゲットであるべきですね。無断リンクという言葉はありえない派としては。

個人が無断リンクディープリンクを禁止しているときはそれは趣味の問題であり、「文化の衝突」などと評されることがあるが、組織でサイト作りをやっている場合には、個々のページ製作担当者が直接リンクされることを期待してデザインしても、「利用条件」なるページを作成する担当者が皆の本意ではないことを書いてしまう。

まともな企業であれば、コンプライアンス対応と言う部署なりがあって、表示される文言の一字一句についてチェックが入ります。それでも利用規約コピペとか意味の分からない利用条件をうたうページが大半なわけで、少なからず社会に影響力をもつ企業のとしてはどうなの?と思われる点が多々あることも事実です。ましてや、IPAのページと言う、まさに法的、道義的な部分で正しく啓蒙していくべき機関においてこのようなことが起こってはならない。

IPAセキュリティセンターが提供する個々の情報のページに直接リンクできなかったら、どれだけ皆が不便な思いをするかは、いまさら説明する必要は全くないだろう。直接リンクが禁止されたのでは、利用者に的確に情報を伝えることが阻害される。
(中略)
そもそも、個別ページに直接リンクされ、そこだけ読まれて何が問題だというのか? IPAの個別ページは適切にデザインされており、たとえば、「ソフトウエア等の脆弱性関連情報に関する届出状況 [2006年第3四半期(7月〜9月)]」のページに突然ジャンプしても、画面上部でそこがIPAであることは表示されているし、トップへジャンプするリンクも用意されているし、パンくずリストも用意されているし、各コンテンツへのメニューも用意されている。明らかにディープリンクされることを期待したサイト設計をしているくせに、表の顔では「配下のページに直接リンクしないで下さい」と言う。

ある程度情報を消すことを想定していて、そうしているのかもしれないが、この手のページが結果として意図しているのは速報性であり、ある一定の期間直接のリンクが増えることによって参照される可能性が上がるのであれば、風化した後リンク切れしてもTOPに誘導できればそれでよろしい。また、その問題について訂正がある場合もTOPからの大量の情報ではなく、元のページから追記として参照されるのであればその方がより到達可能性が高まるわけであります。
もちろん、TOPにリンクを張ることを誘導すること自体は特に問題はない。単発の情報ではなく、伝えたいことが沢山あることは事実。ただし、「直接リンクしないで下さい」という文言により全てが台無しなのです。