ネットワークのコスト負担

ネットワークのコスト負担の議論,やめませんか?:ITpro 。確かにコスト負担の公平性は議論する余地は無いかもしれない。最初から社会インフラとして構築されたわけではなく、儲けようとして始めた事業だから公平性を求めるのには無理がある。しかし、

ただ,プロバイダ間の競争や力関係で決まるコスト負担が基本的には一番まし,というのが記者の意見だ。弱いものにも交渉相手が複数あるのが普通で,そうであればもっとも有利な条件を提示する相手と契約すればよい。環境の変化や過当競争で一時的に不公平な状態になっても,やがて公平な水準に近付いていくことになるはずだからだ。つまり,プロバイダは誰かに公正なコスト負担を決めてもらうのでなく,自分の判断でコスト負担を適正にするよう動くのが筋であり,早道でもあると思う。

というのは、特にエンドユーザーにサービスを提供するプロバイダにとっては結構難しい問題だと思う。プロバイダを回線事業者と捉えると、競争と淘汰により自然に適正な位置に落ち着くかもしれない。しかし、プロバイダは一方でエンドユーザーへのサービス提供を行っていて、e-mailについては完全にプロバイダに依存しているユーザーが大半であろう。
かつてベリサインが404を返す代わりに広告サイトを表示して非難を浴びたことがあるが、このようにインターネットの世界は決して公的な機関が法の元で構築しているインフラではなく、私企業が色々な大事な箇所を握っているインフラなのである。利用者としては競争によって自分のプロバイダがつぶれることによって一時的に使用できなくなることや、環境の変更を余儀なくされることを甘んじて受け入れなければならない。だから、ただでさえバーゲン状態の今の日本の現状では過当競争によって存続できないプロバイダを生み、大量のネット難民を出すことは望ましいことではない。
とはいえ、携帯電話の番号をしょっちゅう変えるくらいメールアドレスも変わって問題ないと思っている人は、安ければ安いほうがいいと思っているだろう。
自由な競争ではユーザーに転化しにくいコストなので、共倒れを避けるためにはある程度自然任せでは無い指針作り的な議論は必要なのではないだろうか。