匿名であることで拓かれるかもしれない事。

そんな大層なことを述べようと思っているわけではなく、むしろ、荒唐無稽な気味な話なのですが。
green - 実名は抑止になり得るかを読んでふと思ったこと。
エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))の描く未来の姿、だよね。この本はSFなんであんまり説明しちゃうとネタバレなのですが、メインを張る主人公の兄と姉、これが10代前半にしてネットでいくつものハンドルネームを使い分けて、時には戦い、時には協調し、時には自作自演し、兄と姉と言っても完全には意見が一致せず、主人公に対する立場も態度も異なるのですが、ネット界でなりあがって行き、ついに兄は若年にして公的な権力を得るに到ります。これ原書は20年以上前(元になった中篇はもう30年近く前)の作品なので当然ウェブなんて言っていなかった時代の話なのですが、そう思うとすごいですね。さて、匿名であることの威力がここで描かれたようになるのか、あるいは実名主義に堕ち、結局は現実の力とシームレスに結びつくしかないネット社会になるのか、著作権法共謀罪などの絡みも考えると、ここ1〜2年がとりあえず一つの山なのかなと思います。

エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))

エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))