タミフルと異常行動にまつわるまとめ

忙しくて更新できませんでしたが、そのあいだ結構色々と話が出てきています。
前回のまとめはこちら

ざっと通してみてまともな議論をされている部分ではこんな感じでしょうか

  • タミフルと異常行動の間の因果関係は否定できないので、やたらと処方するのは控える、というのは妥当
  • インフルエンザ(や高熱)と異常行動にも因果関係があるようだ
  • 特に子供はインフルエンザにかかったらタミフルの服用如何にかかわらず注意すべき
  • タミフル自体は強毒性インフルエンザの大流行に備えて引き続き備蓄すべき
  • 使いすぎはいらぬ副作用の発言を招くし、耐性菌を増やすので避けるべきである

薬と言うものは毒にも薬にもなるわけですが、今回のようなマスコミでの反応は「白黒つけろ!」というようなもので、最初からグレーなんだからどうしようもない話です。薬を飲むと言うことは効果とトレードオフな副作用が常について回ると言うことを我々が普段から意識しなさ過ぎなのかもしれません。つまり、薬漬け医療が長年行われてきた結果として、医師が大量に処方した薬を飲み続ける習慣ができてしまっています。
この話に限らず、「危険」のみがクローズアップされることはよくあります。しかし、そういったものの中には確率的に一部が犠牲になることを承知の上で、なお効果を期待するというものがたくさんあります(経済政策なんてまさにそれですよね)。
インフルエンザの問題は命に関わる話でありますから、この議論に対して一人一人自分がどういうスタンスを取るのか是非考えて欲しいものです。医者が考えればいいことだ、信頼しているからまかせる、というのでも良いかも知れません。でも、実際にインフルエンザが流行したときに最後に決断を迫られるのは自分です。後付で文句を言わないのであれば医師に任せることも選択肢だと思います。これだけの問題になっているのですから、何も知らなかったというのは社会に対して責任を果たしていないのに等しい。
報道機関が報道する、というのは極端に言えば国民の自己責任を拡大する行為なのですから、客観的な報道をしてもらいたいですね。

追記

  • http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070329/122012/ ⇒ いろんな人がインタビューされて答えている内容はわりとまとも。しかし、そのまとめ方が「厚労省への不信」「医療への信用の失墜」という結論ありきで書かれているためコメントの解釈がネガティブ方向にに満ち溢れている。少なくとも公平な視点で書かれている記事ではない。

さらに追記

  • http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070404it15.htm?from=top ⇒ そろそろ単なる発生件数の数字だけではなく状況まで含めた分類された数字が欲しいところですね。あと、タミフル服用者以外のデータももうちょっと追跡調査すれば集まるのでは?
  • ⇒ 依然としてタミフル鳥インフルエンザ型に対する有効性は強力であると評価されている。適切な使用量を守れば耐性ウイルスは発生しづらいとも(誤読してなければ)。全面使用禁止はナンセンスですね。