薔薇の名前 / ウンベルト・エーコ

薔薇の名前〈上〉

薔薇の名前〈上〉

薔薇の名前〈下〉

薔薇の名前〈下〉

見習い修道士アドソは師匠のウィリアムとともに、とある修道院を訪れる。そこでは清貧論争の決着をつけるべく、フランシスコ会教皇庁の代表が修道院長を仲立ちに会合を開く予定であったが、アドソらが到着した直後、殺人事件が起きる。院長から事件の真相を暴くことを依頼されたウィリアムは、この修道院の秘密に気付き、陰謀に巻き込まれていく…
というと完全にミステリに見えるのですが、実際には当時のキリスト教世界で起こった論争や、事件、思想や論理といった哲学について語られた本であるといったほうがよいでしょう。ミステリというか小説としての筋立ての方は壮麗な結末を迎えますし、単純に物語としても楽しむことは出来ます。
信じることとは何か。自らが正しいと主張し続けることはどういうことなのか、そんなことを考えつつ読んでしまいました。