銀行SE…かわいそうです…

※2012/11/15 五年後にして再度元ネタが注目されているので、現状についてのまとめをしてみました→2012-11-15 - novtan別館
いや、こんな底辺…あんまり無くもないかもしれないが…まあ守秘義務に触れない範囲で。
http://anond.hatelabo.jp/20071105213604
確かに、銀行は安定性が命だ。枯れた技術しか使わない…と言うのが主流だった。ついこの前までは。
無論、レガシーなシステムは残ってはいる。COBOLは業務書くのには便利だし、最深部ではアセンブラだって使って日々のトランザクションに耐えている。その一方で、銀行のインフラもWeb化しJava化しフロント業務はASPを使ったりそれをサービス差別化の為に内製化したりとまあ上から下まで何でもやっているのが現状だ。最新技術はニーズとリスクが一致すればむしろ採用されがちになってきている。もちろん、基幹部分ではないけれども、新しいことを全くできないと思ったらそうでもない。特にセキュリティー周りは敏感なので、新しい技術をいち早く、と言うと微妙だが、普通の会社がコスト的に無理としてやらないことでもやることがある。
テストは長い。これは掛値なく長い。むしろちょっと前より長くなった。お役所のせいでもあるし報道のせいでもあるけれども。でもOSが変わったくらいで1年テストで潰すのは単なる無能SEか無能行員か両方かのどちらかだ。そういえばどうしても信頼性のある純正じゃないとダメだって言って海の向こうから2ヶ月かけてパーツを取り寄せたこともある。それないと開発環境組めないんだが。でもテストが長いというのはプロジェクトに適正な山ができることでもある。ちゃんと計画すれば休みのローテだって作れる。
ピンキリだけど、地頭が良いから、やる気のある行員は実に飲み込みも早く、我々の言うことを理解してしまったりもする。逆に資質が無かったり、我関せずの人もいる。上に行けば行くほど減点の対象になることを恐れるから保守的な発言も出ることも多い。銀行の業務知識があるとものすごい重宝がられる。外為なんて特に。証券系もそうだし。
確かに止まったら休みが無いことがほとんどだろう。そんな何日も止まるようなシステムなんてあの某銀行の合併騒ぎ以降無いのは前述の長いテストのおかげでもあるんだが。むしろ、24時間システムに依存している昨今で、止まってもほっといて普通に休みが取れるシステムがあったら聞いてみたい。ブログとかは業務系システムじゃないからね。支援系もそうだ。基幹系が障害で明日でいいよ〜なんて言っている会社の気が知れない。
最近はGWも稼動しているからよっぽどの時じゃない限り仕事が入るのはたまたまだ。年末年始もだ。と言うか、銀行は30日(場合によっては31日)終業で4日始業だ。もとより大して休みは無い。むしろ強制的に取らさせる連休とかで便乗して僕らも連休だ。
ストレスを感じたら逃げろってのはすべての業種において特別なことではない。もちろん、ストレスに打ち勝てないと成功に繋がらないことも多いけれど、死ぬよりましだ。その程度は人によって違う。銀行だからと言ってストレスをちょっとでも感じたら逃げろ、と言うのはその人にとってフェアなアドバイスとは限らない。
さて、今日も僕は日本の産業インフラの為に新たなシステムを考える作業だ。もちろん帰宅は定時だ。そういうこともある。そうでないこともある。何も波が無い仕事など存在するのであれば見てみたい。きっとそこでは働きたくないと思うのだろうけれども。
と言う入社以来どっぷり銀行SE(銀行のシステム会社ではないけど)の戯言。一瞬、日本を揺るがす大プロジェクトにかかわりかけたりしたけど、突き抜けてれば面白くないことなどそんなに無い。