PCが遅くなる、原因は、ある。

確かに、業務で使うPCには

と、必須のものとして常駐するソフトが多いけれども、それでもPen4-3GHzでMemory512MBのPCはそれなりのぜいたく品であり、まあ精々メモリを増やすくらいで大抵の業務で使うものはカバーできるくらいの性能だとはいえましょう。

使い始めは悪くなかったのです。必要な仕事を期待するスピードで処理できていました。すごく速いとは思いませんでしたが、以前使っていたパソコンよりは高い性能でした。

拝啓 社長殿、もう性能ギリギリのパソコンは勘弁してください。 | 日経 xTECH(クロステック)

以前より高い性能ということは、以前がよっぽどダメだったか、あるいは要求が高すぎるだけです。2004年でP4-3Gならかなりハイスペックよりと思われます。

しかし、2年もすると、パソコンの処理スピードがどんどん落ちてきました。高性能なパソコンを使っていらっしゃるという貴殿には実感がないかもしれませんが、そういうものなのです。

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おかしい、僕のPCは2年経ったら処理スピードが落ちるなんていう某タイマーみたいな仕掛けはありません。確かに、最新の機種に比べて相対的に処理能力は低くなったけれども、スピードが落ちるなんてことがありえるのでしょうか。いやない。自ら原因を作らない限りは。

今では、起動中のオフィス・ソフトを切り替えたり、閉じたりするだけでも、10秒以上かかるときがあります。

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どうみてもSwapが起きているようですが、一体全体、Swapが起きるほどのアプリケーションを同時に起動させ続けなければならない理由はなんなんでしょうか。必然性があるとすれば、2〜3年前も同じだったのではないでしょうか。

私は削除済みメールを8カ月保存していますが、最近整理したにもかかわらず、フォルダには3万件以上のメールがありました。

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それを削除済みと言ってしまうのはどうかと思います。もし、万が一、そこからメールを拾わなければならないのであれば、Exportするなりしてとっておけばよろしい。速度を犠牲にしてまでそのフォルダを見に行く機会が、今までどれほどあったのでしょうか。

当然、直近のメールを見るために削除済みメール・フォルダを開こうとすると、5〜10秒待たされます。このメール・ソフトは、パソコンのメインメモリーを最も消費しているものの一つです。

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直近のメールは削除フォルダにあるものですかそうですか。そういえば、メールはこまめに見ないのが仕事を効率よく進めるライフハック(笑)らしいですよ。用が無いときは常駐させないと言うのも仕事のやり方としてはありではないでしょうか。

FirefoxInternet Explorer 7のようなタブ型のWebブラウザも、パソコンのリソースを大量に消費するようになりました。多数のWebページをタブで簡単に切り替えて見られるため大変便利ですが、それゆえ、同時に表示するWebページの数が以前の倍くらいに増えたのです。

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アプリケーションの仕組みが変わったことは仕方が無いとは言え、それほどのページを一度に開いておくことがメモリ消費する原因とわかっていて何故それほど多くのタブを開かなければならないのでしょうか。それらは、本当に、一度に開いていることが必要なのでしょうか。以前は、何故一度に開いていなかったのでしょうか。タブが無くても一度に開くことは可能でしたが。

それでも、常駐プロセスの中には私が愛用するGoogle Desktopも含まれていて、削除できないものが結構ありました。

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業務用PCにそういったものを入れることが出来る環境は羨ましいですね。ところで、それを使うことによる業務の効率化と、それを使うことによるPCの速度低下はどちらが業務により影響を与えていると思いますか?

例えば私が5年前に撮ったデジタル写真は1枚600KBくらいでした。当時、何百万画素のカメラを使っていたのか覚えていませんが、今はコンパクトカメラでも1000万画素の時代なので1枚5MBくらいになっています。また、こういう高解像度なデジタル写真や画面ショットをそのまま張り込んだプレゼン資料のサイズも格段に大きくなっています。

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ディスプレイのDPIよりも高い解像度を持つデータをプレゼンに使う必然性は果たしてあるのでしょうか。もし、将来その写真を印刷に出すためにオリジンデータとして取っておかなければならないとしても、それをそのまま他のものに使うのは手抜きに過ぎないのではないでしょうか。

社長殿、改めて申し上げますが、パソコンの購入時に想定できていなかったことが次々と起こっています。

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本当にそうでしょうか。起こしているだけではないのでしょうか。どうしても必要なアプリケーションは何ですか?それを使うだけでは業務が効率かできませんか?

従業員が求めているのは、4年間(買い替えサイクル)の環境変化に耐えうるスペックのパソコンにほかなりません。例えばWindows Vistaパソコンなら、最新のデュアルコアCPUに2GBのメインメモリー、160GB以上のHDDが搭載されていると最高に幸せです。
パソコンのスペックを高くすると、1台当たりの価格が4万〜5万円高くなるかもしれません。貴殿にすれば、これは簡単に認められない金額差であるに違いありません。しかし考えてみてください。パソコンが遅くなることによって、また、それが引き起こすストレスによって、我々従業員の生産性は確実に低下します。1日当たりのロスは大したことないように思えても、1週間のロスを合計すると1時間程度の残業に結びつくのではないでしょうか。パソコン購入後、3年目と4年目の2年間で毎週残業が増えると仮定したら、トータルで100時間の残業代が発生します。パソコン購入で4万〜5万円を惜しむのとどちらが得か、我が社の経営を担う貴殿には一目瞭然のことでしょう。

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費用対効果を示す場合、明確な根拠が必要です。こんな見積もりをしてお客様に持って行っても怒られるばかりです。遅くなる、定量的な評価が求められます。そもそも、4〜5万高くなった程度で4年後に明確な差が出るかどうか、僕には想像がつきません。一年間くらいは差がありそうですが。
とりあえず、現在のPCもメモリを増設することであと2年くらいはいけそうな雰囲気が出ています。まずはそこから検討して、それではダメなことを示せないと経営者たるもの、一歩も動かないと思いますよ。