ネットで実名の活動をしている人にプライバシーはないの?

いくつか考えてみる。

  • 例えば、会社の社長とかで、いわゆるネット言論人でなくても公に名前が載るような人であっても、私人として公開されていない情報を暴き立てることはプライバシーの侵害と言えるか
  • 私人としての活動を、アクセス記録やその他の情報から公人としての実名に結びつけ、それを公開する行為はプライバシーの侵害か
  • 私人としての活動が、ネット上の、匿名(というよりペンネームに近いですね、ここでは)での活動であった場合、実名を示唆するキーワードより個人を断定し、私人としての活動の批判をすることによって公人としての立場へ影響を与えるような行為を行うことは、倫理的に正等であるのか
  • ネット上では一切活動していない人物の、私人としての情報をウェブに掲載するのはプライバシーの侵害か
  • ネット上では公の立場でしか発言していない人物の、私人としての情報をウェブに掲載するのはプライバシーの侵害か
  • ネット上では公私共に実名で、しかし別々のフィールドで活動している人の公と私を一まとめにして殊更に騒ぎ立てることは公人としてのその人に対して不当に不利益を与えていると言えるか

まだありそうですが、とりあえず
こういった点での侵害的行為は、一見、悪意の匿名によりなされることが多いように思いますが、どうも実名の人による強権発動的な文脈でなされることも多いように思われます。ちょっと待て、お前の言論人としての、ウェブで実名を言い立てて活動することでメリットを得られる立場と、単に公人としてウェブ「でも」名前が出てしまうだけの実名の人物とで、全く同じ立場で実名であることを評価していいのか、と僕なんかは思ってしまうわけです。
純粋に悪意でなされる侵害行為は、侵害されてしまったことは取り返しがつかないかも知れなけれど、制裁を受けさせることは可能ですが、実名による嫌がらせは、同じ実名の土俵に上げてしまうことで見た目上の侵害の度合いを軽減させる効果があるようにも思えます。
「俺は実名であることを怖れない」と言うことを無条件に他の実名に適用する、場合によっては匿名の正体を暴き実名化する、そういった行為はそりゃあ可か不可かといったら可と言わざるを得ない(ウェブでは出来て当然のことだから)のですが、それでもモラルの問題と言うものもあるでしょう。もし、必ずしも正当でない行為で不利益を与えることになったら、いくら誰にでもわかることだ、と言っても責任が生じるのではないかと思うというか、そうでなければ匿名のネットイナゴを批判するためのモラルなど存在しないことになってしまうのではないでしょうか。