実名だったら変なこと書かないし、書いたら反省するだろうという抑止効果は期待できない実例について

批評家でもない限り文章そのものについての客観的な評価はし辛い。好きとか嫌いとかはまあ主観だし、論理的な整合性がないとか一貫性が無いとかは評価できるけれども行間や全体の文脈、思想までを総合的に判断しての評価にはなかなかならない。単発のその一文をもって評価はしづらいし。
とはいえ、他人の言うことを殊更に腐すような場合にはその応答として感情が浮上しても仕方が無い。という前置き。

ネットメディアの反応の早さと、ノーサインの記事の嵐と、そのレベルの程度を感じさせる事になり

http://news.livedoor.com/article/detail/3449465/

さて、ここで語られていることについて。まあ、反応の速さはネットの特徴でもあるし、いまさらそれを感じる感性でネット記者をやるというところに僕は危惧を感じなくも無い。で、ノーサインとレベルの程度*1に繋がりがあるという書き方をするということがまた「記名である」自分に対する自尊心というものが如実に現れていて実に「興味深い」。

今時の女性に対して、助かる道を述べたにもかかわらず、理解されず、私は、ダブルレイプ犯であると、罵詈(ばり)雑言非難中傷を浴びてしまったのである。言葉のワルい私でさえも、切れてしまいそうな言葉で罵倒(ばとう)された。「女の敵」「ぶっ殺してやる」「家族に気をつけろ」と刑事事件沙汰にでもと、一瞬、思った程である。もちろん、私の言う、女性の自立心に対して賛成してくれた意見も頂いたわけである。

http://news.livedoor.com/article/detail/3449465/

どの口が「助かる道を述べた」というのだ。罵詈雑言非難中傷を浴びたとして、賛成してくれた意見の割合を出さないところを見ると大半は批判だったことに目を向けるべきなのだが。もちろん、脅迫的言辞はする方が悪い。そこに関しては同情申し上げるし本気で訴えるべきだが。もっとも、被害女性を「悪い」と断言した自らの言説をもって社会と立ち向かう覚悟が要りそうだが。以下、非難囂々な前回の記事。

このレイプ事件、「一番ワルいのは、レイプされた女性」と私は思う。ピストルや刃物で脅されているなら別だが、凄まれただけできっぱりと、あるいは、大声で、あるいは、立ち上がって何故周りの人にアピールしなかったのか。なぜ、その勇気が持てなかったのか。それは、自分が危険であるにもかかわらず、まだウジウジと、拒否の表現をしない曖昧さが、普段から身に付いているのである。結果として、そのファジイがレイプされる事になったのだ。だから、この女性が一番ワルいのだ。自己主張しなかったから。

http://news.livedoor.com/article/detail/3136851/

事件に遭遇するに際して、自立心をもち、自己主張できない女性は犯人よりも悪いわけだ。なんともご立派な意見を書いて助かる道を、と。もう一歩先に進めて、女性は男性よりもいい体格になって腕力を持つべき、と主張すべきだな。人間に蟷螂の遺伝子でも注入すればよいかな。

ネットターゲットが若いと言う事。言葉、文章理解ができてない事、ノーサインの無責任記事が多い事が分かったことであるが、

http://news.livedoor.com/article/detail/3449465/

そしてまた主張がノーサインに戻る。ノーサインって2ちゃんねるくらいだろ。実名顕名匿名を問わずブログで批判されまくっただろ。都合の悪いことを相手にレッテルを貼ることで隠してしまえると思っているのか。
もう一つ重大なこと。「言葉、文章理解ができる」というのは、伝えるべき人にきちんと伝わるかどうかの問題でもある。ネットターゲットは若いということがある程度最初から想定できるのであれば、そこに理解を出来ない文章を一段上のつもりで書くことは単なるオナニーに過ぎない。そして、前回の記事のターゲットは一体誰だったのか(傍観者を責める大手メディア?)。それを表現するために、被害者を「悪い*2」と断言するようなやり方が単に感性が同じだけの人に届くためのレトリックとしてなされるのであれば、言論の自由表現の自由が守るものは自己満足と自己承認のための手段でしかない。

いまだに記事が存在しているのは、「フラット」精神が生きている証拠と思われる。ネットメディア上での「PJニュースの特性としてフィックス」されて行く要素となり得るようだ。

http://news.livedoor.com/article/detail/3449465/

自己主張できない「ワルい」女性がセカンドレイプされても訴える気力が無くてよかったですねといわざるを得ない。フラット精神がその源だとしたら、同様にPJ記者への罵倒やトリプルレイプ?も許容されるべきだろう。というか、「トリプル・レイプ」されたPJ記者っておかしいよね。被害者がその後のやりとりでさらに二重三重にダメージを受けることをセカンドレイプというわけだから。レイパーがレイプされたとか言うこと自体がトリプルレイプだろ。

*1:「レベル」と「程度」がこの使い方だと同じ言葉だということに気付かないで「の」で繋ぐ文章を書く人に言われると自虐としか思えない

*2:カタカナで「ワルい」と書いたことにごまかしの片鱗が感じられる