面接官から見た、面接で好印象を得るポイント

こんなの会社がベンチャーか中小か大企業か、主に求める職種が技術者なのか、営業なのか、事務作業者なのか、によって異なるので、あまり普遍的に語ることは難しいんだけど、それでもダメポイントはある程度共通していると思います。
ちょっとね、これ見て気になったわけ。
注:以下は引用です。僕の意見ではありません。勘違いしている方が多そうなので追記。

僕が面接で見るポイントは5つ。

  1. 服装
  2. 常識
  3. 品格
  4. 知性

上から順番に大事です。

http://blog.so-net.ne.jp/shi3z/2008-02-11

これはまあ常識的なんだけど、その後の説明がイマイチ。特に「4)平均に最も近い行動様式が最も常識的な態度であると類推することができる」なんてのはなんか無難な人ばっかとりそうですよね。実際には求めている常識は「面接官にとっての常識」でしかなく、意外と偏っているものですが。あと「ひたすら「Why?」を連発するのです。」ってのもバカを落とすのにはそれなりに有効な手段ですが、口先だけの人間は意外と対応されてしまいます。
例えば、人数を確保しなければならない職種の場合に、平均的な力を持った人ばかりを入社させるのは、一見正しい戦略に見えますが、これはダメ。常に平均的なパワーしかでないということになりますし、某法則によればその中の二割は働きませんから、実際には毎年会社の能力が前年の8割減衰し続けていくことになります。
だから、全体として、平均的になるような採用のしかたが必要になります。なので、ある部分が突出していた場合に、他がちょっとね、となっても半ば賭けに近い形で採用する場合もあります。むしろ、面接官が「この長所を是非生かしたい」と思った場合、欠点は度外視される傾向もあります。よっぽどお堅い大企業でなければね。ただし、キャラが被ったら、基礎体力(能力って意味ね)があるほうが採用されることが多いです。
というわけで、あくまで中小SI企業としての基準ではありますが、ダメ基準。

  1. 特徴がない
  2. 自分のやっていることを説明できない
  3. 人の質問を理解しようとしていない
  4. 大事なこと・ものがない

うちは面接は一回だけで、50分くらいやります。結構な時間があるので、自分は何者であるということが出てこない人は持ちません。こちらも、悲しいかな次から次へ志望者が現れるような大企業ではありませんので、できるだけその人の引き出しを開けてみようと努力するのですが、取っ手がないと空きもしません。まず、開けてみたくなるような引き出しを提示できれば、第一段階としては合格。逆に言うと、言われたことだけにハイハイ言っているだけだとそういう取っ掛かりを見つけることが出来ないので終了です。何でもいいから自分の特徴を示すことが出来ればと思うのですが…
あとはSI企業なので、論理的思考能力が最低限あるか、というところが重視されます。例えば、ゼミに入っているのであれば、自分が何に興味を持って入って、どんなことをしているか、を他人にわかるように説明できるか、等。そして、質問は多分に誘導的なので、意図を少しでも汲むことが出来るかは大事です。
で、あと一番大事なのは、何かを大切に出来る人かどうか。会社としては出来るだけ長く勤めて欲しいものですから、何でも簡単に放り投げてしまう人はあまり好ましくありません。趣味でも何でもいいから何か一つのことをやり続けることができる、好きでいられる、ということは非常に大事だと思います。それが他人に理解できるようなものでなくても、情熱が伝わればよいのです。
ちなみに、嘘をつくと、大抵はバレます。もっとも、バレていることを殊更に指摘するようなことはありませんが、実際にはバレていると思ってください。ただし、嘘、というか、本当でないことが必ずしも悪いとは限りません。底が割れるような嘘はもちろんNGですが、自分さえも騙すことの出来るある意味演出的な嘘や、心底そう思ってなくても、場を読み取った、論理的な判断に基づく発言なんかは場合によっては好感度の元にもなります。黙ってしまうより、わかりませんという正直な気持ちの吐露(これもあまりに低レベルなものだとNG対象ですが)や、上手く取り繕うことの方が能力を感じさせることがあります。
まあ、これも僕の面接官としての個人的な感覚に過ぎません。こと面接に関しては、最低限の礼儀作法が身についていれば、半ば運に近いものがあります。テクニックとして普遍的に対応できるのは、精々面接に望むときの姿勢(業界に対する研究成果や、思いを語れるかどうか等)くらいであり、後は自分が何者であるかをいかに出していくか、その自分とその企業がマッチしているか、が成否に繋がります。
ただ、いろんな企業を訪問してもどこにも引っかからないのであれば、ここで上げたようなダメポイントを沢山満たしている可能性があります。特に、自分がやっていることを説明できないのは(個人的にですが)ものすごくマイナスです。そのあたりをちゃんと意識する、というのが面接だけではなく、社会人としてキャリアを積むにあたって大事なことなのではないでしょうか。

追記:
続きをいくつか書きました
人事でもないのでどこまで役に立つかはわからないけど面接の話の続き - novtan別館
面接のコツ-履歴書編 - novtan別館
採用における「顔」の重要性について - novtan別館
一応補足しておくと、僕は人事部ではありません。が、現場代表として良く面接には参加しています(もちろん決定権付き)。ので、たまたま面接に行ったら僕が出てくることもあるわけですね。