比喩表現の問題について

以前のエントリ、議論すべきなのはプライバシーの問題じゃないの? - novtan別館に対して
こういうブクマコメントをいただいた。

matsuoka_miki 匿名実名 殺人衝動をあからさまに書いていいのか?⇒『実名同士の素手での殴り合い。高地から重火器で一掃してしまいたい気分になりますよ』相手を名指ししなければ何を書いても許されると思っているのだろうか?

はてなブックマーク - 議論すべきなのはプライバシーの問題じゃないの? - novtan別館

まさか本職のライターさんからそんなコメントをいただくとは思いませんでした。これ皮肉?
どうして殺人衝動と判断できるのか。字面だけ見ても、そもそも議論を素手での殴りあいとたとえている所から、重火器で一掃というのも比喩だということは明らかだろうし、そういう気分について「何を書いても許されるのか」という問いかけをされても、じゃあ何を書くのは許されるのか、と思ってしまいます。
ほのめかしですらない、存在しない殺人衝動を読み取られるというのは表現がまずいという問題ではあるわけですが、さすがにこれはないんじゃない?これで僕が「殺人衝動がある人間」という評価をされたら名誉毀損だよね。もっともそう思う人なんていないと思うけど。

こういった問題は、そうはいってもコミュニケーションの中では常に発生する問題で、一つ一つを拾い上げて誹謗中傷だ名誉毀損だ犯罪予告だなんて言っていたらきりがない。ウェブの問題は、それが全部世界中に聞こえてしまうことだし、それに慣れちゃったら本当の声を拾えなくなるってのもあるかもしれない。
だから、一切の比喩とか誇張表現を認めない、っていう世界になるかもしれないけど、そういうのはまあ知性としては貧しいよなあ。

で、別に僕は殺人衝動なんかないけど、人間って多かれ少なかれ、何らかの衝動を理性で抑制して生きているわけで、例えば、この例で言うと、気分になるけど実際にはやらない、ということは理性の存在表明であって、脅迫でなければ言ってはならないことではないんじゃないか。まあ常に殺人衝動抱えている人にはあんまりお近づきになりたくはないものだし、実際にそういう衝動を表出されたらあまり気分のいいものではないけれども。