採用における「顔」の重要性について

さて、2chデビューを間接的に果たしたわけですが、元々のアメーバニュースの記事のせいか、僕があの五つの項目にかなり同意しているような受け取られ方をしているように思えるのは(反応を収集した結果)あながち気のせいでもなさそうなので、特に言及の多い「顔」の部分については補足しておきましょう。
もう一回言っておきますと、僕は人事部でもないし、面接は余技です。SI企業って自分の仕事以外は興味ないみたいな人が結構多くて、なかなか面接官が集まらないみたいなんですよね。僕は立場的にも、ちょうどよいのでやっているだけ。だから、プロではないし、ここに書いてあることを実践すればOKみたいな必勝法でも何でもありません。
でも、実際に採用の可否を決めたりしているわけで、あながち間違いではありません。あくまで一例として参考にしてもらえればと思います。
もう一回おさらい

同氏は、四畳半社長が就職活動のポイントとして「顔」、「服装」、「常識」、「品格」、「知性」を挙げたことに同意はしている。だが、企業にとって重要な「平均的な能力」を備えた人物だけでなく、「欠点がありながらも傑出した長所がある」人の存在の重要性も指摘している。

http://news.ameba.jp/weblog/2008/02/11166.html

同意というか、基準としては常識的、と述べました。ただ、ここでは「顔」とされているけど、もう一度元エントリを眺めてみましょう。

良く言っているのですが、優秀な人は顔をみれば解ります。
男は40を超えたら自分の顔に責任をもたなければならない、なんて言った人がいますが、20でも顔を見れば能力のだいたいのことは想像できます。性格も。顔なんかそうそう簡単に変えることはできないので、普段から気をつける必要があります。就職活動を一年間やるなら、一年間毎日鏡で笑顔の練習をしたらいいと思います。それくらい大切です。

http://blog.so-net.ne.jp/shi3z/2008-02-11

これね、全面的には同意できないんだけど、まず、優秀な人は顔を見ればわかるか、というと、優秀っぽい人、くらいのところまでは判断してしまうかも知れません。でも、実際の能力までは想像できないし、性格もわかるわけない。人相見でもあるまいし。多分ね、「顔」っていいつつそれも含めた「雰囲気」のことを指しているんだと思うんです。ダメな「顔」ってのはわかります。生気がない、落ち着きがない、上の空、とかね。これはいわゆる「生まれ持った容姿」のことではないです。あくまで表情とか、雰囲気とか、そういったものであって、20くらいじゃ責任持つ顔なんてならないよ。40超えたらっていうのはやっている仕事に相応しい立ち振る舞いとか、貫禄とか、表情とか、しゃべり方とか、そういう部分も含んでいます。これもまた仕事次第。
あくまで雰囲気のことだとすると、大変重要であることは間違いありません。さっき言ったことに矛盾するかも知れませんが、顔を見れば大抵のことはわかります。顔そのものというよりはね、話している最中にどこを見ているか、とか、どんな表情をするのか、とか。嘘は顔にでます。本当に好きなことを語っているのも顔に出ます。苦労してきたエピソードも、どんな表情で語るのか。本当に辛かったのを耐え抜いた、というのと、辛かったけどみんなで力をあわせて頑張ったというのでも違うし、自分のそのときの立場とかでも違うけれども、そういった自分の思いをきちんと表現する一つのとても大きな手段が「顔」なんですよ。
繰り返すけど、いわゆる容姿は全然関係ないです。良く女性は美人が採用されやすい、って言われることがあります。これはある程度真実です。でも美人ってのは容姿そのものは実はあんまり関係なくて、自分に自信を持ちやすいから、そのことがにじみ出るってのが大きい気がします。ずるいって思われるかもしれないけど、美人であることを鼻にかけて、中身がないってのはすぐわかっちゃう。中身がない美人ってのは失礼な言い方だけど、たちが悪いので、採用されにくいかも。もっとも、それはうちが技術職だからかもしれないですね。これは男性にも言えることです。こういった意味での容姿は、少なくともうちの会社では採用する基準にはなっていません。
でも、お客さんとやりとりをする仕事ですから、最低限、きちっとできるかってのは基準になります。自分の人生の大事な局面なのに寝癖だらけだったり靴がなんかおかしかったり、ネクタイしまってないとかはちょっと大丈夫かなこの人って思います。やたらスーツ着こなしてたり、靴を履きなれてたりすると逆に心配だけど。履きなれない靴に四苦八苦するくらいのもんでしょ。まあ、ここらは結局のところ、最低限のラインをクリアしているかどうか、というのが重要で、それ以上のポイントはありませんね。
というわけで、これもダメポイントなわけです。事に臨むという表情と服装をしているかどうか。それだけです。
さて、話を顔に戻すと、人間の話の表現力の結構な部分を声とボディーランゲージが占めるのですね。だから、表情というのは結構大事で、自信のほどや、真実性については、先に述べたとおり、結構わかっちゃう。そこで出してこないものまでは見抜けないから、逆に言うと、困らせてみたり、喜ばせてみたりすることで、なんとか性格や話している内容の重さや深さを探ろうとするのが面接官です。面接中に上手く行っているなって思ったりしたら結構危ないです。本当に気に入ったか、どうでも良くなったんで計るのをやめたか、どっちかに振れちゃった可能性が大だからです。これは、面接官の方の顔にも多分良く見ると書いてあるんですよね。不採用でもできるだけ好印象で帰って欲しい(将来の顧客かも知れないから)し、こっちも疲れるの嫌ですしね。
というわけで、若干取り留めのない感じになりましたが、「顔」というのは大事だというお話でした。にこやかに、涼やかに。プレッシャーに負けず頑張ってください。

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