自分を見える化して全世界に発表させろだなんてね

実名でブログを書く危険性については再三述べてきたので今更言いません。実名で書くメリットももちろんあり、各々がそれを理解したうえで、きちんと情報をコントロールして書くべきものが実名ブログであって、見える化なんてできるくらい自分の全てをブログに書いたら下手すると社会的自殺だよ。何がビビリとか言ってんだろうねこの人。

「米国では顔写真を載せて実名でブログ発信するのが常識であり,ネットで検索した時に名前が見つからないようでは,存在していないに等しい」

ビビリな若者たちよ!! 実名ブログで自分を「見える化」する勇気を!! | 日経 xTECH(クロステック)

いきなりすごいよね。アメリカではってのに突っ込む以前にアメリカでもそんなことないでしょ。あくまでウェブで発信する必然性のあるある限定された世界の話でしかないと思う。そして、そこで発信されるのは自分そのものではなくて、外向きの自分に過ぎない。パーソナル宣伝メディアという視点だよね、その存在するしないってのは。

勉強会や懇親会などで出た学生たちの質問は,一言で言えば「ビビリ」の言葉ばかりでした。どうも,実名で情報発信をしたり,知らない人にメールをしたりするのが「怖い」ようなのです。自ら「ビビリ」だと告白して話す若者さえいて驚きました。

ビビリな若者たちよ!! 実名ブログで自分を「見える化」する勇気を!! | 日経 xTECH(クロステック)

これは学生側も非論理的な理由しか述べず、こいつらを論破できてないんだから本当に優秀な学生なの?って思ってしまいますよね。大体こういう記事で「ビビリ」と批判させること自体ウェブのリスクだよねw

特に女性には「私が顔写真入りで実名でブログ発信したら,アクセスが殺到したりストーカーが現れて大変なことになってしまう」と思っている人も多いようです。どうやら「ブログに過大な期待と恐れ」を持っているだけではなく,当人は意識していないかもしれませんが「自意識が過剰」なようです。

ビビリな若者たちよ!! 実名ブログで自分を「見える化」する勇気を!! | 日経 xTECH(クロステック)

すげー極端な例だなコレ。

私が講師を務める明治大学ブログ起業論でも既に実証済みなのですが,それほど世の中は甘くありません。ネットにはあまりに多くの情報が氾濫しており,今やブロガーは星の数なのです。しかも,現代は,かのマザーテレサが嘆いたように,愛情の反対語=無関心という病がはびこっています。街中で,ちょっとやそっとの「おかしな事」をしたぐらいでは,誰も立ち止まって見てくれないでしょう。

ビビリな若者たちよ!! 実名ブログで自分を「見える化」する勇気を!! | 日経 xTECH(クロステック)

しかもおかしな事をしたという前提がある。おかしなことをしなくても通り魔はいますし、女子大生ブロガーなんてキーワードでストーキング書けて来る奴なんて星の数ほどいるだろ。あながち自意識過剰でもないとあえていいたい。それにしても、ちょっとしたおかしな事で内定取り消させるまでに到る学生がいるのはどう評価すればよいのですか?ねえ。

しかし,慣れてしまえば,それらの迷惑情報を「気にせずに処理する」ことは決して難しくありません。逆に,個人情報が知れ渡ることで,有用な情報が一般の人たちよりも入りやすくなるメリットを見逃してはなりません。だからこそ,私はメールマガジンやWebサイトなどネット上でメールアドレスを積極的に公開しております。そのため1日に数百通のメールが届き,その7割は迷惑メールです。それでも,新たな縁者に出会い,新たなチャンスに恵まれるメリットの方が大きいのです。

ビビリな若者たちよ!! 実名ブログで自分を「見える化」する勇気を!! | 日経 xTECH(クロステック)

そういう発想が迷惑メールを蔓延らせ、ウェブ上のリソースが足りなくなることで業者に従量制の口実を与えてデジタルデバイドの原因を作るんじゃないですかね。何コレ勝ち組の発想?学生に言うなよ。というか、3割ってことは100通以上迷惑じゃないメールを受けているわけね。暇人?
新たな縁を必要とするのはそれが必要な人だけであって、みんながみんなそのことが有用だとは思えません。いみじくも「一般の人」と自分で述べている通り、世の中の「一般の人」はそれを必要としてないのですよ。

個人情報を出すリスクより,出さないリスクの方が大きいことを忘れてはなりません。

ビビリな若者たちよ!! 実名ブログで自分を「見える化」する勇気を!! | 日経 xTECH(クロステック)

絶句です。リスクは個々人がきちんと評価するべきことであり、誰かの体験を元に一般化すべきものではありません。何故断言できるのか。自分にとってその方が都合がいいからといって他人にとってもそうであるという発想はビジネスマンとしてはありかもしれませんが、指導者としては失格ではないでしょうか。

実名ブログで発信したら,誹謗中傷にさらされたり,炎上すると恐れているかもしれません。たしかに,そんな苦い経験を味わうことも無いとは言えません。しかし,それもまた貴重な経験なのです。

ビビリな若者たちよ!! 実名ブログで自分を「見える化」する勇気を!!(2ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)

貴重な経験だよね。二度と立ち直れないかも知れない。
苦い経験と片付けるのは、それほどの被害を受けたことがないから故。実名の足跡を残すことに危険を感じないのは幸せな人生を歩んでいるからこそだと思うわけです。もちろん、自分に隙があるからこそこういう事態が起きる。そういう意味で、自らの責任において発信したものを自ら一生背負っていく覚悟が必要なのが実名ブログです。そこまでの重みをちゃんと伝えているんですかねこの記事は。失敗を糧にとか言っている時点でそうでもないと思うんだけど。
失敗にはその先の成長に繋がるものと、致命傷になるものがあり、後者の失敗をしてしまうと一生ものです。単に自分の成長を促すためであれば実名ブログなど必要ない。ビジネスチャンスに繋げるためにあえて「リスク」をとることが実名で書く意味です。ビビリとかじゃなくて、目的がそこにないのであれば、あとはスタンスの問題でしょう。

実名ブログに入らんずんば,心からの友を得ず…です。

ビビリな若者たちよ!! 実名ブログで自分を「見える化」する勇気を!!(2ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)

何このネット弁慶
まあそれは冗談としても、あくまで出会いの一つの方法でしか過ぎないのに実名ブログをやりさえすれば得られるものがあると考えている、というのがいやらしい。

全体的に見て、それほど間違ったことを言っているとは思わないのですが、甘い、甘すぎる。というか、きちんと「実名でブログを書くべき対象」を絞って述べるべきだ。特定の業界で存在感をアピールしたい学生が実名でブログを書くのはいいことだと思う。ただし、実力が伴わないと中身が知れているだけに弾かれやすいということもあります。学生なんて会社に入ってから成長するものだから、マイナスイメージを与えるリスクをあえてとるだけの実力というのはそうそうあるもんじゃない。そういう人って実は匿名で書いてても会社の方からアプローチあるだろうし。あれ?実名で書く意味ってなんだっけ…結局個人への到達可能性があれば実名である必要ってないんじゃね?僕だったら「実はあのブログの作者なんです」「ええ〜!」って出会いのほうが面白いなw

むしろ実名晒すことで無用のトラブル抱えることが多いんで、今の状況では実名はとてもじゃねえが推奨できないっすね。荒らしたもの勝ちっていう部分もあるんでね。

http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080410/1207841868

コレに尽きるよな。他にも色々反論されているので是非こちらもご参考に。