結局iPod課金なの?

残念なことに、いつまでたっても音楽はメディアから解き放たれることがない。音楽をメディアに固定したことは偉大なる発明だけれども、そのことが音楽を縛り付けている。

iPodなどの携帯音楽プレーヤーと、テレビ番組を録画するハードディスク内蔵型レコーダーに「著作権料」の一種を課金する制度改正の骨子案を文化庁がまとめた。8日の文化審議会に提案する。抵抗するメーカーに対し、課金を求める著作権団体が「秘策」で揺さぶりもかける。同庁は4年越しの論議に決着をつけたい考えだ。

http://www.asahi.com/culture/update/0505/TKY200805050202.html

もう既に、時代は何歩も先に進んでいて、iPodを携帯音楽プレーヤーとして捉えることすらそろそろ難しくなってきている。そういった中で、デジタルメディアの「劣化しないでコピーできる」という特性考えると、ある程度やむをえない部分がありつつも、なんか違うんじゃないの?という思いは拭い去れない。
そもそも、私的録音に補償金がいるということそのものについても未だに何故という言葉が頭を飛び交う。
テレビの録画で言うと、デジタル時代になったんだから、VOD的に処理していけばいいのに、広告モデルに固執している放送業界がいる。そんなに買わせたかったら放送しなければよいのに。そうもいかないか。広告モデルではそろそろインターネットのほうが優位になりそうなんだけどね。
ただ、iPodというハードウェアに課金する、というのはリムーバルなメディア(CDとかMDとかDVDとか)単体に課金するよりは合理的だと思う。ハードディスクをメディアと捉えられてはかなわない。上乗せされる価格自体は容量に比例したとしても、全体で見れば大した負担にならないと思う。
それよりも、文化庁が音頭をとってやるんだったら、その補償金がどこに向かうのかというものをきちんとして欲しい。単純に業界団体が補償金を取れる仕組みにするというのはちっとも文化的じゃない。還元されることを管理できてこその監督省庁だと思うのです。