アクセスアップやアフィリエイトで奪われるなら面白い文章など初めからなかった。

どうもよくわからないんだけど、「面白い文章」というのはなんだろう。誰にとって?「自分にとってのみ」面白い文章は、他の人には面白くない。他の人も面白いと思う文章は人気が出る。当たり前の話だけど。

これは、インターネットの個人サイトやブログでも同じようなことがいえるでしょう。「カウンターがぐるぐる回るようになる」「はてなのホットエントリーに選ばれるようになる」「アフィリエイトで高収入が得られる」という条件が与えられたことによって、才能あるネットの書き手たちは、自分が面白いと思う記事を書くのではなく、みんなが面白いと思うであろう記事を書くようになってしまったのです。

http://d.hatena.ne.jp/snowdrop386/20080508/p1

この前段にある、ケインズ美人投票の話は、投票する人の利益の話だ。つまり、ウェブの文章の読み手は、読むことによって収入を得られるわけではないから、文章がつまらなかったらそっぽを向くだけだろう。だから、ブロガーがアフィリエイトの為に文章を書く話とはちと異なる。
いずれにしても、みんなが面白い、と思う文章を書くことはそんなにおかしいことではない。自分だけが面白いと思っている文章は、つまりつまらないということなんだから。
でも、「面白い」=「受けるネタ」になっているんじゃないか、という話であれば、わからなくもない。大衆迎合的な文章が面白いと感じる層が増えて、相対的に、技術ネタだとか深い論評だとか文芸的なものがうずもれていく。
いやまて、ここはテレビではない。テレビは大衆が面白いと思わないものは排除されていく傾向にある。しかし、ウェブはそうではない。書き手がいなくならない限りは残り続ける。つまり、単につまらないものの洪水にうずもれていくだけだろう。そして、それを掘り出す仕掛けがいくつもあるのがまたウェブである。
いいじゃない、大衆に受けるポジションにあなたの感じる面白い文章がなくたって。もしお気に入りのブロガーが変節し、迎合的な文章を書いてしまうようになったのであれば悲しむべきことだ。が、アクセスアップやアフィリエイト人気エントリーがそれを為したのではなく、単なるブロガー個人の欲である。
魅力的なサイトへの到達可能性は、昔よりも増えていると思う。まだある、ではない。面白いサイトは変わらずそこにある。