三菱東京UFJのトラブルについての戒め

まずこれを見てくれ。
http://www.google.co.jp/search?num=50&lr=lang_ja&ie=sjis&oe=sjis&q=三菱東京UFJ%20トラブル
今回の件は様々な点から問題があるんだけど、僕も確かな情報を握っているわけではないからあまり語れない。
まず一つ、上記の検索結果にネタブログが混じっていることが問題。bogusnewsは僕もファンなんだけど、この記事はいただけない。

庶民のなけなしの預金を一瞬にして消してしまうとは…過去の銀行システムトラブルでも類を見ない重大な事故だ。

http://bogusne.ws/article/96501569.html

もちろん、後半を読めば読むほどネタだと言うことがはっきりしていくんだけど、問題は、これが検索結果の上位に来ていることで、特に決定的にネタだと言うことを示す証拠が「bogusnewsであること」しかないというのは一見さんにとって大変問題のある状況ではあります。
ブックマークコメントにも書いたけど、女子高生のたわいのない嘘が取り付け騒ぎを招いた過去がある。

1973年12月に愛知県宝飯郡小坂井町を中心に「豊川信用金庫が倒産する」という噂が流れた事により取り付け騒ぎが発生し、約20億円の預金が引き出された事件である。 愛知県警察が信用棄損業務妨害として捜査を行った結果、自然発生的な流言が原因である事が判明した。デマがパニックを引き起こすまでの詳細な過程が解明された珍しい事例である為、心理学関連の教材になる事も多い。

豊川信用金庫事件 - Wikipedia

読めばわかるけど、「危ない」って言葉が銀行の経営状態を指すものですらないんだけどね。
というわけで、bogusnewsには猛省を促したい。ウェブ利用者のリテラシーを信用しすぎなんじゃないの?
もう一つ。

しかし、最も容易な部類に入る今回の(旧)東京三菱系→(新)東京三菱UFJへのシステム統合で、電文文字列の内容が異なっていたという基本的な見落としが発覚した今となっては、そもそものテスト品質の甘さを追及されてもムリからぬこと。 テスト肯定のスペシャリストが全てレビューしていたらなら、多分今回の障害は未然に防げた、もしくは短時間で解決できたと思います。

障害発生が「当たり前」という銀行システム統合、本当にそれでいいの?:情報インフラ24時 眠らないシステム:オルタナティブ・ブログ

「工程」が間違っているのはご愛嬌としても、最も容易な部類ってのは内部関係者か何か?あと、電文文字列の内容については異なっていたんじゃなくて、仕様変更をちゃんとフォローしていなかったって話ですよね、今のところ。一体全体テスト工程のスペシャリストってなんでしょうかね。全知全能の神でもいるのかしら。
一見無駄と思われるコストの部分で上手く回っている現実は確かにあります。でも、完璧なシステムなんて作れないのですよ。銀行のシステムだからいいんじゃなくて、どのシステムでも起こりえることです。そして、銀行のシステムだからこそ、この程度(というと怒られそうですが)で済んだんですよ。
テストが足りないとかそういう部分じゃなくて、もうちょっと根本的な部分に問題があるのは確かなんだけど(例えば、建て増しで作っていった結果膨大な数のバリエーションが出来て誰も把握できないとか)、それはテスト工程のスペシャリストが解決できるような問題でもありません。むしろ、そういうところに力を入れすぎて、今回のような単純な部分でのミスが起きるんですよ。
ま、全部憶測でしかないですけどね。
あと、今回の問題は、バグを作りこんだ当事者がどういう扱いを受けるかも注目なんですが、まあこれは世間一般には関係ない話かなあ。IT業界の人は注目ですね。特に某ベンダーとこれからも仕事をしていこうという会社は。