一夢庵風流記 / 隆 慶一郎

なんでもパチンコで「花の慶次」が流行っているそうで。
原哲夫のマンガも熱くてよいのですが、やっぱりここは原作。久々に読み返してみました。

一夢庵風流記 (集英社文庫)

一夢庵風流記 (集英社文庫)

隆慶一郎小林秀雄門下で、小林秀雄が死ぬまで怖くて小説なんか書けないっていう理由で遅咲きの作家でしたが、徳川家康影武者説をベースに、自由の民である「道々の輩」の役割を重要視した形での戦国期〜江戸時代初期に想像を羽ばたかせた人です。突拍子もない話で伝奇小説といってよいのですが、リアリティー溢れる…というには熱すぎる男達の生き様を見せてくれます。早世してしまったのが悔やまれますね。
さて、前田慶次郎。小説で書かれる姿は豊臣黄金時代から関ヶ原くらいなんで、もうだいぶいい歳のはずなんですが、元気いっぱい暴れまくっています。隆慶一郎の小説の中では珍しくややこしい背景が全くないエンターテイメントに仕上がっています。マンガのほうも原作にないエピソードや原作から端折られた部分もありますけど、面白いですね。これがジャンプに連載されてたってのは今思うとちょっと信じがたいけれどw
花の慶次―雲のかなたに (1) (集英社文庫―コミック版)

花の慶次―雲のかなたに (1) (集英社文庫―コミック版)

花と火の帝」と「死ぬことと見つけたり」は完結して欲しかったなあ。
花と火の帝(上) (講談社文庫) 花と火の帝(下) (講談社文庫)
死ぬことと見つけたり(上) (新潮文庫) 死ぬことと見つけたり(下) (新潮文庫)