それにしても、SIer業界は不況であります

特に金融は、といいたいところなんだけど、顧客の業種によるネゴに縛られないはずのBP各社が単価ダウンよりも切られることを怖れ始めている現状、業界全体に仕事がないような雰囲気です。うちくらいの客に会社として認識してもらえる規模の会社はその人脈・実績で仕事を取ってくるわけだから、今までやっていたところに大きく依存するのですね。だから、金融中心でやっているうちの部署は金融が辛いと仕事が減る。でもそこで使っているBP各社は別にうちじゃないところとも仕事ができるわけだから、業種には縛られない。もちろん、業務経験、というのは仕事を取る上で大きな材料になるから別の業種の仕事は多少とりづらいかもしれないけど、人手が足りなければそんなこと言ってられないわけで…つまり、足りちゃってるんだよね、どこも。
金融の世界で言うと、本当はみずほが統合後に次期システムを作るからとても沢山の人が必要なはずだったんだけど、なんか政治的な話でもめて進まないうちに今度はサブプライムでお金が…もちろん、次期システムにはお金が落ちると思うんだけど、まだ盛り上がらない。
一方で、金融監督庁の横槍が入りつつ、大システム統合作業をやった東京三菱。この2〜3年、結構な要員が東京三菱の対応に吸い取られていったんだけど、本当はこの人たちが出てきたタイミングでみずほとかのでかい案件があればよかったんだよね。ところが、ない。他の銀行もサブプライム余波でシステム投資に余裕がない。案件が無い。だから、業界全体で人が余ってきた。地銀はタダでさえ単価安いのに大体パッケージで済ますようになっちゃったしね。
人が必要なところにアサインできる下請けの数と業界全体が必要としている人の数が今までバランス取れていたのだけど、ここへ来て一気に危なくなり始めた。金融なんて定期的に制度案件もあるから定常的に人数が必要とされているんだけど、案件化しなくても保守で対応できるような案件もそれを削ることで保守人数の減員をもくろんだり、とか、とにかく人減らし。
要員を集めてその売りと買いの単価の差額で利益を出す、というSIerのビジネスはこういうときに一気に行き詰る。需要が回復するまで耐えられる体力や、どうしても減らせない部分の美味しい(景気がいい時にはそんなに美味しくないけど)仕事を持っているところ、とかがなんとか踏ん張っていくことになるでしょう。