これはあるある「不当な値下げ要求」

一時期富士通が遡って値下げを要求して業界内では話題になったけど、さすがにそのまま書けないとでも思ったとか?大手金融機関のシステム子会社の法務がアレ過ぎることはないと思うんだけど。にしても、この記事はイマイチ真に迫ってこないよなあ。

こみ上げる怒りを抑えながら鈴木さんは,「理由もなく20%のカットをのめるわけがないでしょう。訴えますよ」と反論した。それに対してPMは,「全体的なコストカットで,皆さんに協力してもらっているんだ。しょうがないじゃないですか,のんでもらわなきゃ」と言い捨てた。

[IT業界の弱者]半年さかのぼって値下げを強要 | 日経 xTECH(クロステック)

まず、なんで「訴えますよ」なのかわからないんだけど、次の契約からじゃなくて、その前から下げる契約変更の一方的な通達ってことなのかなあ。会話だけじゃわからん。

ひょんなことから鈴木さんはこの事実を知った。すぐさまPMに,「何でウチだけが値下げをのまなきゃいけないんだ。他の協力会社のように工数を調整してくださいよ!」と詰め寄った。だがPMは,「そんなことはない」と,知らないフリ。

この時点で普通撤退だよw最初の話を見る限り請負じゃなくて支援契約っぽいし、義理も人情もないんでしょ?それを単なる話し合いで延々とやるから

それは元請け会社からの通告書だった。「契約している人月単価を20%引き下げる」という従来からの要求が書かれていたが,次に続く文章を読んで鈴木さんは愕然とした。「値下げは6カ月前にさかのぼって適用する」と書いてあった。
鈴木さんは,経営するソフトハウスの社員のほとんどをこのプロジェクトに参加させていた。プロジェクトから手を引けば社員の給料を払えなくなる。プロジェクトを引き受けた責任感もあり,鈴木さんは泣く泣くこの要求をのんだ。通告書が来た翌月の支払いは,6カ月さかのぼって値下げされた分を相殺され0円。

[IT業界の弱者]半年さかのぼって値下げを強要(2ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)

こうなる。
で、この通告書ってどういう効力があるんだろうか。先の支払いを後で相殺ってことは発注書が0円とか?監査大丈夫?
いずれにしても、次の契約を更新しないで撤退すればよいのだ。まあ、実際には次の仕事が取れないと簡単にはいかないけど。

最近良く言われるのが「プロジェクト傾注リスク」。そこそこの規模の会社がある程度大きな割合をある一つのプロジェクトや取引先に依存すると、それによってそこの業績とか人事とかに会社の業績が依存するというリスクがあるんだよね。元請会社の仕打ちも酷いと思うけど、それだけのリスクをとっている以上、うてる手は先にうたないと。

この話に戻ると、ユーザー企業に訴える、で済んでよかったと思うけど、値下げはユーザーからの要求の結果だったりしたら目も当てられません。20%のところをそこを何とか6%でくらいで何とかするとか色々合ったんじゃない?現に他の会社は減らした分工数を上げてもらったんでしょ?

本当の話だとして仮定してみる。一括請負だけど見積もり根拠を人月で出すときは大体会社毎の単価が決まっているし、初参加っぽいこの会社(元請内で実績無し)の単価が何でこんなに高いんだって怒られてる(出世に響く)ってのが背景にありそう。タダでさえボリュームがありそうに書いてあるからなおさら。だとしたら、最初の交渉のテーブルで落としどころを探れば道はあったかもしれない。もちろん、相手のPMの言うことがあまりに一方的ってのはあるけれども。でもPMと交渉するのがヤダったらさっさともっと上にエスカレーションすればよかったのに。

仕事を請ける側も交渉力をきちんと残しておかないといけない時代です。ものづくりを一生懸命やろう、ではなくて、ビジネスなんだよね。いびつだってのはわかっていると思うけど、戦い方を知らない会社が増えると食い物にしようと考える元請も増えるんだよね。