よかろう、ではIBMの実情について語ろう

といっても観測範囲は決して広くありませんのでこれがすべてではありません。所詮若干付き合いがある先に過ぎません。

日本IBM周辺でトラブルが続出している。IBMの下請けとしてサブシステムの開発に携わっていたソフトウェア企業が4億円近い負債を抱え、2008年10月中にも破産手続きに入る。同社は、IBMから追加費用の支払いが行われていなかったと主張して訴訟準備に入っていたという。ほかにも、スルガ銀行やソフト開発会社など、IBMを相手取った訴訟も続発しているのだ。

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まずこの記事についていっておくと、別々なカテゴリの事案をまとめすぎw

この中堅企業は開発の規模が膨らんだ時点で、追加支払いの約束をIBMがしたにもかかわらずこの約束が果たされなかったとして、IBMを相手取った訴訟を準備していた。ただ、IBMとの取引で4億円近い負債を抱えたことが引き金になり、2008年6月に民事再生法の適用を受けている。

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ここ最近IBMが抱えているだろう問題はこういうのが多いと思うんだよね。なぜなら、今までは見込み案件なんかはユーザーから発注が確定しなくてもその先の作業を進めるために下請けに先行発注をしていたりしたんだけど、USの強い意向で一切禁止、やったらPMクビ。それでも顧客との関係から作業を進めざるを得なくて、口約束しちゃったりしてね。
もう一つは、前にも言及したBack to Backの話。下請けのせいででた問題は下請けに丸々損害賠償するって奴ね。これで元請としてのリスクを減らそうって言うんだが、下請けからしてみればIBMがケツ拭いてくれないならなんでかなり中抜きされてまでIBM配下でやらなきゃならんのか、って思うよね。実際、責任は取らん(そもそも検収した時点で責任はIBMにも生じるはずなので顧客からしてみれば下請けの体力で修正後の全システムリグレッションをやらせますなんて言われても信頼できんわけだ)わ契約するまで相談にも乗ってくれないわ(まあこれはそれが正しいけど)で何のために高い金払っているかわからんのですよ。
顧客にしてみればIBMというでかい会社に任せるから、何かトラぶっても何とかしてくれるし、その分高いお金(銀行なんかは下請け直接雇う倍は払っているでしょうね)を払っているわけだ。もう不満たらたらですよ。

プロジェクト運営の話で言うと、偽装請負が問題になってから少なくなったけれども、下請けメンバーへの直接指示どころか混在メンバーなチームを作って直接管理とか、BPのどこかに管理を肩代わりさせたりとか、そんなプロジェクトも未だにある。正直言って、少ないリソースでちゃんとした仕事をするっていうのはそういうほうが上手くいくんだけど。いまどき上手くいくからといってルール違反をしてもいいというわけでもありませんが。

あとは、やっぱりGDの問題。グローバルデリバリー。ようはオフショア開発。上海だインドだなんだで結局開発の大部分を海外に出さなきゃならないとなるとBPのやる仕事は上流しかありませんが…上流の単価はそんなに上げてくれないんだよね。儲からないじゃん。であれば、ユーザーと直接話をできる現場であれば、IBMと仕事をする必然性なんてそんなにないのだ。

今回記事になったような問題は、業務の適正化をはかっていった結果としてのゆがみでもある。一斉に何とかできるんであれば、その方が良いかも知れない。けれども、現場の実情を眺めている限り、今の体制って結構限界があるようだ。特にBPが今までのようなやり方では仕事ができなくなっている一方で、IBM自身は今までのやり方を押し付けている(でも開発のところは中国ね)。そろそろ続かないか、何か大きなブレークスルーが起きて日本のSI業界震撼か、どっちかというと前者だろうと思うけど。