産経新聞のホメオパシーについての酷い記事

これはひどい

これに対して、日本の代表的なホメオパシー関連団体の1つ「日本ホメオパシー医学協会」(東京都世田谷区)は、会長談話について反論を展開した。「ホメオパシーの有効性を否定する論文の数は、ほんのわずかしかありません。しかも、学術会議が(効果がないことの)根拠とした論文は欠陥論文です。一方、有効性を肯定する論文は山ほどあります」。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100926-00000536-san-soci

という反論を掲載するだけ、というのは宣伝にしかなっていない。実際には、ここに書かれていることが真実かどうかを調査することまでが取材だろう。つまり、これはちゃんと取材して、新聞としての意見を載せるような類の記事ではなく、話題になってるからここは一つ、というくらいの飛ばし記事でしかない。
ホメオパシーに肯定的な論文については、医療専門誌の査読を通ったものはほぼ無いはず。大抵がなんとかホメオパシージャーナルみたいなもの。たまにまともな雑誌のものが紹介されていると思ったら、論文の結論を捻じ曲げて無理やり肯定的に捉えているしまつ。一方で否定的なものについては
ホメオパシーに否定的・懐疑的な論文 - Skeptic's Wikiあたりを参照。

女性は、症状の悪化をホメオパシーでいう「好転反応」ととらえていたとされる。ホメオパシーでは、レメディー使用後の症状の悪化は、健康を回復するための一時的なものととらえている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100926-00000536-san-soci

ここももうちょっと説明が必要な重大な部分で、ホメオパシープラセボではない証拠として、「好転反応が発生する(プラセボではありえない)」としているところがある。もちろん、これは詐術で、単なる症状の悪化である。当然、偽薬の投与でも偽薬効果より病気や怪我の症状が深刻な場合、同じことが起こりうる。もっとも問題なのは、ホメオパシー好転反応とされる症状の悪化が起こるのは、往々にして、標準医療で抑えていた症状が、それを止める事によってぶり返して来ていることを好転反応だと言ってしまうことだ。

朝日新聞は、取材と専門知の助けによって、社会に発信する意見としての記事を書いた。さて、産経は後追いの癖に何の定見も無いこのような記事を書いて、社会の公器足りうるのか?