2500億円は多いのか少ないのか

みずほフィナンシャルグループ(FG)が国内最大級となる2500億円規模のシステム投資に今春から踏み切る。昨年3月のシステム障害を受け、傘下銀行に分散するシステムを2015年度末に一本化する。大量のデータ処理を効率化するとともに、年間1000億円近くかかるシステム維持費の軽減を図る。

みずほ、2500億円投じシステム一本化 障害防止 :日本経済新聞

みずほ銀行発足時、また、今回の3月に起きた障害については以下に詳しい。

システム障害はなぜ二度起きたか みずほ、12年の教訓

システム障害はなぜ二度起きたか みずほ、12年の教訓

ここに書かれていた話については別の機会に紹介するとして、この見出し「みずほ、2500億円投じシステム一本化 障害防止」。まあ、障害防止は目的の一つでしかないはずだけどね。
なぜかブクマで「ITの単価下げた罰」って言っている人がいるから一応。

ちなみにWikipediaとか読めばだいたい分かると思うけど、みずほのシステムは元々の設計が古いものを使い続けていて新しいビジネスに対応しきれない(瞬発力に欠ける)から、そういったところを刷新してくるはず。としたときに、2500億円は安いか高いか…正直、「傘下銀行に分散するシステムを2015年度末に一本化」するにはちょっと厳しいか…そもそも、スクラッチでシステムを作るわけじゃなく、既存が動いている巨大システムを15年度末までに一本化するのって相当難しいと思うんだけど。

新しい銀行を作るのであれば、同じようなシステムを作ってもそこまで時間もお金もかからない。でも、今居だしシステムが動いている(そして、止めてはならない)ことがハードルを上げている。ましてや、みずほはもう障害を出せない。一番お金かかるのはテストと移行なんだろうな。

いっそいまのシステムを諦めて完全に作りなおしてデータだけ移行、ってのが実は一番効果的なんじゃないかと思うけど、対外接続とか、顧客企業からのデータ(未だにテープで受領とかしてたりするよね…)あたりもまとめて旧システムから切り替えるのはしんどそうだ。

とにかく、想像を絶するデータ量(といっても昨今のいわゆるBigDataのことを思うとどうも大したことがない気になってきてはいるけど)を間違いなく処理しなければならない銀行のシステムというのはお金がかかるものです。