CDが売れない理由がわかった!の嘘。の嘘

タイトルは釣りです!

そろそろCDの役割が終わっても不思議ではないのではないだろうか?レンタルビデオ店がビデオからDVDやブルーレイに切り替わったように、CDも媒体を変えなければならない。

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CDが媒体をかえる、というのはちょっと日本語としてはおかしいですが、言いたいことには同意です。が、「音楽メディアの媒体」が変わる必要があるのかどうか。ハイフォーマットCD(SACD)は結局普及していない。なぜかというと、映像メディアと違って音楽は「聴ければいい」「そもそも違いがわからない」ということが多いから。そのために高額の投資をユーザーがする意味があまりないわけです。
ブルーレイはそのクオリティーを上げるインセンティブがコピーが不自由というデメリットを上回っている人には普及しつつありますが、ビデオがDVDになったときの取り扱いの容易さ(シークのしやすさ・パッケージの小ささ)というほどのメリットはありませんし。

CDが売れないのではなく、CDという音楽の媒体が終焉を迎えていると考えたらどうでしょう?

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問題は、CDが売れないのではなく、音楽が売れないことですよね。CDというのは音楽メディアの一般的な媒体のことを指していて。もちろん、元々の記事の論旨(というかネタ)である「CDプレーヤーを持っていない」という点についての反論としてはそれで正しいのですが。
なので、

CDとはまったく違う新しいビジネスモデルが到来するのではないかと楽観的です。これからの音楽業界はよりニッチになるのではないでしょうか?武道館は満杯にはできないけれど、小さいライブハウスだったら満杯にでる。そんなアーティストの大量投入時代が到来するのかもしれません。

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ということにあまり楽観的になれないのです。別にどうでもいいけど…
ようは、音楽業界は、ある程度の成功を収めたらある程度の収入を得られる、という夢の業界ではなく、一部のトップスターだけがその恩恵を受ける業界になるということだと思っています。逆に言えば、マスマーケットを相手にする部分は縮小し、従前の表現芸術の一つとして、真に文化的な活動だけが残っていく、終わり(決して終焉ではないけど到達点として)の始まりである、と考えることができるのではないでしょうか。
なんかおんなじこと言っているような気がしてきたけど、大量投入時代というのが同一規模のマーケットの形態変化を意味しているのであれば、そうではなく、マーケット自体も縮小せざるを得ないというのが僕の見解です。

CDシングル→ウォークマン→通勤通学で聴く、の流れだって携帯ゲームに取られているのが現状です。

とはいえ、人類最古の芸術であり芸能であると言っていいだろう音楽の力は、他の文化に完全に埋没するようなものではなく、その力は永遠だと思っています。音楽業界、音楽マーケットというものがどう変貌していくか(その中でコマーシャルな音楽がどのように変わっていくか)は興味深いところです。音楽が滅ばないことには僕は楽観的ですし、(今の)音楽業界が自滅の道をたどったとしたら、それはむしろ次世代の音楽の新しいあり方の萌芽を意味するでしょう。