スタイリッシュ無断転載ブログ

ウェブが生まれてこのかた、コンテンツのパクリというのは起こり続けてきたし、無断転載というのもずっと行われてきている。コピーが簡単なテキストベースのコンテンツの弱点でもあるけれども、気付けば著作権で保護される対象であるから排除は可能だ。
なので、微妙にリライトしてパクっているサイトが昔はよくあった気がする。僕もやられた経験あり。
ところが、最近はもうそのまんま無断転載で掲載しちゃうサイトがあるようだ。

2chまとめブログにだって「コメントの編集」という運営者による独自要素がある。しかし、このサイトにはそれさえもなく、本当に何の工夫もなく全文転載しているだけだ。いや、記事とは関係ないイメージ画像を追加するという独自要素があったか。

 転載元はブログに限らず、Twitpicなどの画像系などもあり、幅広い。おそらく特に転載許諾を取らずに、まるごと転載しているだろう。最近の話題ではなく、2,3年前のものが多いように思うが、これは転載であるということを気付かせにくくする工夫ではないかと邪推してしまう。また、匿名ダイアリーも結構多いが、これも抗議対策だろう。

企業が運営するオシャレ無断全文転載ブログという新しいソリューション : ARTIFACT ―人工事実―

件のサイトを除くと、ブログのカテゴリーもquoteになっており、転載するぞ!という強い意志を感じる。これが新世代のコンテンツメーカー、キュレータなのだ!と言わんばかり。
まあこれは確信犯だ。何しろ転載していることをアピールしているんだから。

たちの悪いことに、この手のサイトは、読者の感性が合えばここを見るだけで完結してしまうと。つまり、もとのエントリを書いた人にとってほぼ何の利益もなく、ただただPVを搾取していることになってしまう。

無断転載については、法的な問題だけではなく、色々な理由で問題があるんだけれども、かっこいいという文脈によってそういう問題をわりと見えなくする意思を感じるのがとても気持ち悪いというのが正直なところだ。

話はそれるけど、こういった、企業が確信的に原則違法の行為をやっている場合には当事者に対する抗議はもちろんだが、取引先に対する違法性の指摘なんかも有効なんではないかと思う。逆に言うとそういうリスクを考えてない企業ってどうなの、ということでもあるけど。そういうものが企業のパブリッシングのアンフェアさに対する抑止力になっていないと意味がない。
ということを言うと、匿名の発言の抑止力が無いのは云々という話に直結しそうだ。ただ、企業が責めるのに有効なのは主にアンフェア(もっと限定すると違法性)に対するものだけであって、それ以外の事は歯牙にもかけられない可能性が高い半面、個人へのそれは例えば思想信条(趣味嗜好)の問題で会社の人間関係がぎくしゃくとか、そういう法律とか契約とかでは割り切れないものへの影響が大きいのでそう簡単に「だから匿名はよくない」とは言えないだろうね。