リソース不足の解決策は慎重に

山形で救急車を出動させなかったら呼んだ人が亡くなった件。
個別具体的な事例については、訴訟になったことだし、ここで判断してもしかたがない。

医療のリソース不足の対応として、出動するかしないかに基準を設けるのは解決策になっているのか、ということを考えてみたい。
そもそも、救急車の有料化とか、そういう案も出ている中で、出動基準により出動しない選択肢をもつ、というのは施策としてどうだったのか。有料化の問題はなんだろうか。行政の現場で働いているわけではないからそのあたりの細かい問題はよくわからないけれども、ざっくりと考えてみると、

  • 乗ったもん勝ちで払わない奴
  • 基準にクレームつける奴
  • 金ならあるぜな奴

を排除するのが面倒だから、というあたりが問題になりそう。ただ、これらの対応をするのは事務方の役割なので、これによって少しでも現場のリソースが空くのであれば、事態が好転していると言っていいんじゃないかな。少なくともクレーム対応する分のリソース(人を雇っても良い)は有料化した結果徴収されるお金からひねり出せる気がする。目的はあくまで必要な人が必要なときに救急車を利用できるようにすること。
もう一つ。タクシーに乗れっていう要請は、タクシーに払うお金が用意できない人は死ねという結果になってしまうこと。ここについては行政サービスと民間サービスの橋渡しをする何かが必要だと思う。具体的には、行政サービス利用のための民間サービスへの支払保証。つまり、行政が立て替えましょうということを保証すること。状況に応じて行政から手軽に借金をすることが可能になると、仮にタクシー呼んだ人が文無しであっても行き先が救急であればとりあえず後払いで何とか出来る。もちろん、本来救急車を呼ぶに値した場合、免除もありで(このあたり、悪いことをできる可能性があるので難しいけど)。
ただ、こういうサービスを実現するためには身元の保障がかなり重要になってくる。マイナンバー制度なんてのはそういう利用のされ方をすべきではあると思うんだよね。