混合診療の問題なんて良識的な社会派ブロガーなら5年前に通過している

混合診療のおかげで私は死の淵から蘇った 日本が禁止する本当の理由~清郷伸人氏・著者インタビュー(1/6) | JBpress(日本ビジネスプレス)についたブコメをみていろいろ感じるものがある。
この件はもう5年前にひとしきり議論がされているのでその時点でまだ関心がなかった層はあらためて問題として認識して議論するのは良い(その場合id:NATROM先生が2012-11-06で、きっちり説明してくれているので必読)。
問題は、5年前にこの問題に触れている人たち。駆け出しのブロガー?であった僕ですらひとしきり議論していて、当時は親切な人もいたものでわざわざいただいたコメントのやり取りも含めて勉強になった。
混合診療って悪いの? - novtan別館
混合診療再び - novtan別館
混合診療のシナリオは実際のところどうなのだろう - novtan別館

まあ、僕の意見は最初のエントリに尽きる。混合診療と言っても、何でもかんでも無条件に認めることは出来ない。代替医療の跳梁跋扈なんて論外だ。冒頭にあげた話にある療法は、結局のところ効果がないようだ。そういうものが堂々と行われることになれば、結果として保険医療の質は下がるかもしれない。
もっとも、保険適用されない最先端の治療法(すなわち効果が定かではないことを意味している)を受けることは充分に医療費を持っている層にとっては試してみたい話ではあるし、そのことを完全に否定する必要はない。でも、それはきちんとコントロールされるべきだし、厚労省が何かの陰謀で云々とか考えてるならそもそもいろいろ危ないので日本を去るべきかと思う。

と、今日はそういう話をするつもりではなかった。結論はともかくとして、混合診療の問題点はずっと前から示されていたし、それでもなお導入しても良い、というのも一つの見解だろうと思う。ただ、決して理解出来ないような問題点は存在しない。そこにあるのは、何をリスクと考え、何を採用すべきかを考える、判断の差でしかないはずだ。
だから、古参ブロガーの人が、この問題の何が問題であるかを「わからない」のは単に問題を真剣に考えていないことに尽きる。
このことに限らず、ある程度自分が結論を持っている事柄について、問題点を見ようとしない人が特に3.11以降増えた気がする。丁寧な議論をしていたはずの人がイデオロギッシュな方向になっているのをみると、理性を信じることをやめてしまったのだろうかと思ってしまう。