言論の自由とは誤った言論に抗議を受けない自由ではない

隊長が突っ込み済みなのでアレだが。

もはやランサーズに対して云々いうつもりはないのですが、今回のような「自社に不利な記事に対して圧力をかけて修正を依頼する」すなわち、言論統制と捉えて差し支えないと思いますが、メディアと言論統制の問題について一石を投じてみたいと思います。

http://thestartup.jp/?p=8240

圧力とは?抗議が圧力なの?

この手の圧力に対して、よくありそうなメディアの対応が「言論の自由を侵害された!」的な反応かと思います。言論の自由という表現は私は好ましく思っておらず、あることないこと書いていいという訳ではないと思っています。根拠のない誹謗中傷など、いくら言論の自由を主張して報じても意味がありません。メディアとしても根拠のないことを報じるほどリスクは取りません。

えーと、このエントリのタイトル「言論統制」って書いてありますよね。まさに「言論の自由を侵害された!」的な反応ではないですか。言論統制って言っている時点で「言論の自由」というのが背景にあることが前提となりますが、主張しても意味ない?よくわかりません。

当然、事業者としては自社に不利な記事が世に出るのは避けたいところでしょう。しかしメディアが事実や意見を述べることに対して、自社に不利な情報だからといって圧力をかけることは許されることなのでしょうか。メディアはその圧力に屈していたのでは、ジャーナリズムもクソもあったものではありません。

圧力とは?抗議が圧力なの?

この話の根本的におかしいところは、「その記事の根拠あんのかごるぁ」という抗議に対して圧力というレッテルを張った上で言論統制と言っているわけです。自分が正しいことを確信しているからそういうことを書いているわけですが、ジャーナリズムというのはそれを客観的に説明可能な状態で提示するというものですよね。だから、こんなことを言う前に客観的な記事であることを証明すればいいんです。データ出すとかね。圧力に屈するとか言ってる場合じゃない。

本誌は事業者にとって都合のいいことだけを報じる広報誌ではありません。今後も事業者にとって痛いであろう厳しい記事はどんどん出していきます。主張しておきたいのは誹謗中傷ではなく、歪んだ事実や構造を報じることで読者にその事象について思考する一石を投じたい。もしくは私個人の意見を発することでその論点について考えてみてほしい。という想いがあります。

言っていることはご立派ですけど、事実の証明ができないと誹謗中傷ではないということも証明できませんからねえ…意見の表明だったらなんだって許されると思っていたら大間違いで、例えば僕がこの人をバカだと思ったとしてもこのエントリから受け取った印象以外の根拠なくそれを表明したら誹謗中傷じゃないですか。

ジャーナリズムを気取るのであれば、今回の件が各方面で批判されている件について真摯に受け止めたほうが良いですよ。この一件を持って信頼が地に落ちるということも十分ありますからね。