巨大システムが出来るのは何故か

巨大システムの現場には巨大システムなりの悩みが多いんだよって話をするとよく言われるのが「巨大システムなんか作るのが悪い」って言葉なんだけどね、まあそれはその通りであってでも全く意味を成さないんだよね。だってそこに巨大システムがあるんだもん。

僕の主に仕事の領域である銀行システムをコンパクトに再構築することを目論んだとしましょう。僕の思いつく範囲内でそれを実現するためには例えば以下の様な手段が有用かと思われます。

  1. まず、別の法人としてミニ銀行を立ち上げて、スケーラビリティのあるコンパクトなシステムを作成する
  2. 顧客誘導に有効と思われる商品(利率の高い定期など)を利用して徐々に新しい銀行に口座を誘導する
  3. 古い銀行のサービスを次第に不利にしていって最後は合併する

どう考えても過渡期に他の銀行に口座もってかれそうですね。二重投資期間の負担も物凄いことになりますね。結局コスト面で非現実的な話になりそうです。

巨大であることはそれによって発生するスケーラビリティ的なメリットと裏返しでスケールの大きいなりのコストの悩みがあります。特に銀行みたいな「制度でがんじがらめ」な世界においては、今ある巨大システムが持つ情報は全て何らかの形で集約していかないと必要な報告が出来ず、逆に言うとそれが故に巨大なままであることを強いられている部分があるんですよね。それを改善しようとして起きる事務負担は巨大であるがゆえに時としてシステム投資を超えます。

大きければ大きいほど「それシステムでは難しいんで手運用で」が大変になるってことですね。

そしてもちろん、なにか問題が起きた時の責任の度合いも大きいわけです。

こういった問題の場合、ないところから何かを作るほうがよっぽど簡単です。多分こういう話はゲーム会社なんてのではよくあると思うんですけど、体がでかくなることで出来なくなることのほうが増えるってのが世の常。ベンチャー企業が有利なのはそこに新しいものがあるからではなく、それがベンチャー企業だからという理由のほうが大きいんですよね。大企業でも新しいことは出来ますけれども、それに会社の命運そのものを乗せることはそうはできることではありませんからね。特に法務リスク面では…

巨大システムが嫌いなのは作っている人だっておんなじなんですよ。巨大なの作んなよwwwって言っている人はぜひ現実的なソリューションを提案してほしいものです。みんな飛びつくぜ?