フラッシュフォワード / ロバート・J・ソウヤー

フラッシュフォワード
大風呂敷系ハードSFネタミステリ仕立てなソウヤーのこれはなかなかの名作。未知の粒子を発見するための実験をしたところ、何がいけなかったのか、なぜか全世界の人間の意識が2分間だけ21年後に飛んでしまうというまたまたとんでもないお話。元の世界では空白の2分間、戻ってみたら運転中の車とかが事故っているあたりが微妙にリアル。21年後の自分の姿(死んでるらしい人は何も見てないという)を見て絶望に打ちひしがれる者、希望に輝く者。世界中は大混乱。主人公の一人なんてちょうどそのころ自分が殺人事件の犠牲者になってしまうことがわかり犯人探しに…果たして未来は変えられるのか。
フラッシュフォワードは多くの犠牲者を出してしまったわけですが、メインの主人公は自分がその原因を引き起こしたという責任を心の底で回避したい気持ちから、未来は変える事ができない、すなわち、フラッシュフォワードが起きてしまった過去も必然の結果であって決められたことであったという考えに固執します。一方で、絶望的な未来を見てしまったものが自殺して未来を変えられると証明してみたり。世界は大混乱、大戦争でも起きるか、と思いきやそうでもなく時間が進んで行くのはどうなんでしょう。
結局21年後(2030年くらい)にオチがくるわけですが、その課程の中でマイクロソフトは倒産してるしスターウォーズは(まだ)完結していないしって実名出していいんだろうかという未来予想が面白い。