みずほ銀行システム刷新の再延期に思う大規模システムの難しさ

出ましたね。
みずほ銀行、勘定系システムの統合・刷新で2度目の延期を検討 | 日経 xTECH(クロステック)
実際のところ、3.11のあとのアレがなかったらこんなに急いで「全部やります」って計画じゃなかったはずなので延長したから「老朽化」したシステムを云々ということはそれほど大きな問題じゃないんだけど、計画しているコストが大分変わっては来ますね。何しろ巨大なシステムですから、お役御免になる予定だった時期がずれるだけで保守工数がその分全部伸びるわけで、今回は何しろ全部やる予定なのでその全部が全部伸びる上にテストに従事している「新しい方の全部」の人たちの工数も伸びた分必要になるわけですからね。

よく、どこかが遅れている結果スケジュールを進捗させるがそのどこか以外は順調なはずだから面積を変えずにスケジュールだけを伸ばす(月あたりの人数を減らす)という戦略を取ることが有りますが、そもそもこういう場合はそのどこかのせいで整合性を取る試験が実施できない、というパターンだった場合は安易に人を削ると現場が崩壊したりしますし、まあ調整が難しいんだろうなあ。

特に下流側のシステムは上流のデータが全部揃わないと結局のところちゃんと出来ているのかわからない(し、上流もその下流のデータがちゃんとあっていることがわからないと本当にちゃんと出来ているのか自分たちではわからないこともある)ので、一部のサブプロジェクトの問題が全体の品質に波及したりとかそういうことを考えるとこの判断は正しいというか当然と言うか、そもそも金融庁が「障害起こしたらコロス」とプレッシャーをかけている中で延期の判断って大変だと思うんだけどそれが判断できないとしたらお前ら自分たちのリスクも見積もれないのに客の与信判断とかできんのかよって話になるのでまあ今回は頑張ったんじゃないかなとは思います。

投資の問題はあるけど、今回に関しては絶対に事故れないはずなので慎重にやってほしいと思うんですよね。ここで事故ると業界が崩壊するから(崩壊しちまえよと思う反面、事故度が高すぎて波及効果がヤバイので勘弁して欲しい)。