SI業界の「ベンダー・協力会社・地方格差」

先日のSI業界を目指す君達へ贈る「何故システム開発はテンパるのか」 - novtan別館にいくつかのコメントを頂いているので、紹介したいと思います。一部はしょっています。

通りすがり 2008/03/21 23:31
確かに言われることはわかるんだが、仕事を請け負った大企業のSEなんかは、あまりよくわかない子会社の派遣要員だったりして、はっきり言ってその道のプロではないのです。そういう人が上流の方をやってしまうと、プロジャクトがめちゃめちゃになるんです。大手銀行や証券会社などの大企業であれば、大手SE企業が直接指揮をとることになるでしょうが、現在では地方の案件は、大手SE会社の子会社が担当したりするわけです。そしたら、大規模な案件は初めてであったるするわけで、上流工程でもまか不思議な仕様書ができあがったりするわけです。そう考えると、SE業務も建築士のようにきちんと国家的な資格を作って、プロじゃないとやっちゃいけないようにしないと、顧客を納得させるシステムは作れないと思うのです。

資格については僕も常々必要(必須ではないけど目安として)だと思っているのですよね。そういう意味では、一応勉強しているという意味でIPAの資格も意味はあります。でも、仕事の役に立たないとか言うわけのわからない理由で取得を忌避する人が多いです。そうじゃないんだって。
ただ、子会社の派遣要員だから上流ができないってわけじゃありません。大企業そのものに大規模プロジェクトを仕切るだけの技術力がちゃんとある人がどのくらいいるかというと…そんなにいません。

Johann 2008/03/22 03:30
>仕事を請け負った大企業のSEなんかは、あまりよくわかない子会社
>の派遣要員だったりして、はっきり言ってその道のプロではないのです。
的確な指摘だと思う。私はアメリカ在住だけど、日本見てて思うのは派遣社員が多すぎるってこと。何で「**社」と話してるのに「■■社」から派遣されてる人間が出てくる(しかもその事実はお客さんには知らされない)のか分からん。

それは偽装何チャラだからですよ!違うか。大抵は契約の問題です。本当に技術力のある人を出したいのに「プロパーじゃない奴はダメ」という顧客側の問題。最近は、偽装派遣やら情報セキュリティーの問題でプロパーを求めることはありますが。
派遣というか、委託というか、つまり協力会社が多いのは、必要なときだけ正社員として雇って終わったら首にする、というのがほぼ出来ないから。

えー 2008/03/22 03:47
>仕事を請け負った大企業のSEなんかは、あまりよくわかない子会社
>の派遣要員だったりして、はっきり言ってその道のプロではないのです。
実情としては、子会社の派遣要員がその道のプロで、仕事を請け負った大企業にはプロは全くいないのが現実。

ということも多いです。というか、本質的には所属は関係ない。ただ、子会社は優先的にねじ込まれることが多いので、外れを引く確率も高いですよ。一見わけのわからない協力会社のほうが良かったりします。

和パスタ 2008/03/22 10:59
頼む側は長年その仕事に携わっているのだから良く知っているはずなのに、いざITシステムの段になるとトイレがいらないとか言い出す、これは一般人のITリテラシーがないことによる。
システム設計するやつはあっちの企業そっちの業界とやるから身につかないしトイレが必要とわかる前に設計しだすからめちゃめちゃ、そもそもいろんな業種を良く知りその上ITOKなんて完璧人間なんてあまりいません(そういう人がいるとこだけうまく言ってる、優秀な人間は1割り程度思われるが成功しているシステムが2割り程度のあたりに現れていると思う)。
必要なのはシステム側は普通の人でもできるように同じような業種内容をやり続けてられるように社会体制をとることが重要で、頼む側はやはり業務を主としつつシステム開発に継続的に関わり理解を深める(最上は社会に出る前にある程度は知っている程度になっている)ことが重要。
これは役人が内容わからずすぐ移動してしまって無責任非効率を生み出すのに似ている。

理想を言えば、情報システム部門が業務をシステム(というよりは業務要件ですね)に落としこめて、実際の作る部分(実装の技術的問題や非機能要件)をベンダーがやる、というのがよいのですが、会社の規模によっては情報システム部門なんてもてないわけです。もっとも、そういう会社はちゃんとパッケージを使えばよろしいのですが、実業務に携わる人がやり方を変えたくないんですよね。これが日本の一番良くない点。そこで差別化を図るなら、それ相応の投資が必要です。

通りすがり 2008/03/22 13:02
>実情としては、子会社の派遣要員がその道のプロで、仕事を請け負った大企業にはプロは全くいないのが現実。
東京などはそうかもしれないが、地方では、子会社が親会社の社名を使って、作ったこともないシステムを受注して、全く経験のない若手社員を担当にすることがしばしば見受けられるからね。
要するに、顧客には申し訳ないけど、社員の経験を積ませるために、そういう仕事をやらせているのが現状だ。そんな状態なら、普通プロがやれば陥らない問題が、当然のように起きてしまいデスマーチ当たり前になってしまう。会社の方も、若手がやった方が人件費も安いからね。こういう状況でシステムが作れないと、新聞で動かないシステムができて親会社が顧客から訴えられるわけだ。だから国が資格を認定してプロがやるようにしないと、いくらシステムの構築の技術的なことを述べても意味がないのである。あと、建築基準法のように、建造物を造る家で指針となる法律を作って、それによってやればきちんとシステムが作れるように国が動いた方がいい。まあ、コンピュータシステムは、建築物みたいに目に見えないから、なかなか難しいとは思うが。

これは実態をしらないからあまり語れないのだけど、全く経験のない若手社員が担当になるってのはどうなの?費用ケチったとかそういうのにも見えます。そんなのが経験になると思っているのであればただのDQN会社で、地方ってそういうのが多くてベンダーもそれを支援しちゃうの?
あと、資格で言えば、耐震偽造的な部分は管理できるのですよね。個人情報保護法や、金融商品取引法や、 金融監督庁の通達なんかで最低限やらなければならないことは提示されています。でも、業務要件がどうってのは国が知ったこっちゃないですよね。トイレがないのは衛生管理上まずいかも知れないけど。

別の通りすがり 2008/03/22 13:33
建築士の人とは初対面でも意気投合できて、同じ愚痴を言い合える不思議。
そういう意味でも似通ってる業界なんですよねぇ。

建築士の知り合いはいませんが、そういうものですか。面白いですね。

とおりすがり 2008/03/22 23:37
建築基準法のように、建造物を造る家で指針となる法律を作って、それによってやればきちんとシステムが作れるように国が動いた方がいい。」
これ良くある素人っぽいミスだと思うけど、それは絶対に止めた方がいい。そんな統一基準が存在しないのがSI業だし、仮にできたとしても国が動いて出来た頃にはおそらくその指針は既に時代遅れになっている。情報処理技術者試験なんて物笑いの種でしょ。それとおんなじ。

前述の通りですが、できるところは安全に関わる部分くらいですよね。というか、それで済むなら国のプロジェクトでパッケージを作ってそれを使うことを義務付けたらいい。国保なんかはそれに近いですね。
情報処理技術者試験については、有用性はあると思いますよ。少なくとも、体系として勉強することと、世の中の技術にどういうものがあるかを学ぶという意味では。業務に役に立たないから物笑いの種、という現場ノウハウ思考の人はソフトウェア工学も鼻で笑って勉強しない印象があります。

u2uni 2008/03/23 09:44
>仕事を請け負った大企業のSEなんかは、あまりよくわかない子会社
>の派遣要員だったりして、はっきり言ってその道のプロではないのです。
元請けと現場のエンジニアって、ものすごく温度差がありますからね。
とくに派遣とかフリーとかだと顕著ですよね。仕様の不整合を「来月いっぱいまで出てこなければいい(表面化しない)」と吐き捨てるような人がたくさんいますから^^;
そんな人と一緒に仕事をこなすこと自体が難しいですw

どちらの側が誠実かはそのときで違いますよね。不誠実な元請もいるし、不誠実なエンジニア(と呼びたくない)人もいます。こういう事態に対応するために、色々なマネジメントスキルが存在するわけです。でも、経験だけで乗り切ろうとするマネージャーも多いですよね。建築もそうだけど、技術職のマネジメントをするのには、それ相応の知識のお勉強が必要なのですよ。その点を勘違いするのがデスマの始まり。

総じていえることですが、視野狭窄な技術者が多ければ多いほどプロジェクトは失敗に近づきます。マネジメントスキルも結局のところ、リスクを一定量減らすだけに過ぎません。お客さんの要求を正しく聞き取れたとしても、設計する能力が無ければ台無しです。大きな案件の経験を積むことが難しくなりつつある昨今ですから、色々な試みによって仕事のやり方を少しずつ変えて行かなければならないはず。昔はこうだった、というのを今に適応するために発するのはそろそろ禁句にしていきたいものですね。