「双頭のこども」をダシに使いながら、その実、その子供のことを全く気に掛けていないという問題

木村ゆういち候補「頭がふたつある子供が南相馬で生まれています。」他発言の見解 - Togetter
この手の話ではいつも感じること。
実際に「あたまがふたつあるこども」が生まれたという事実があったら、それが放射線の影響かどうかも含めて、相当大きな問題として捉えるべきで、事実と思って話すような人間は、その事実を自分の目で確認するくらい重大な事案であって、とても呑気に選挙運動のネタに使っている場合じゃないんである。
僕はそんなことさっぱり信じていないんだけど、本当に親しい人からそういう話を聞いた場合、一も二もなくまず確認をするだろうし、事実であることがわかったら原因を追求すべく全力を尽くす(とはいっても私人として及ぶ範囲でだが)だろう。これはみんなの未来に繋がる重要な問題であるから。
でも、この人「広島や長崎で、被曝そのものが差別を生み、被曝の事実を隠すことで、被曝を強いた側に対する責任追及がうやむやになったことに、私たちは学ばなければいけません。「被曝」による健康被害を直視させない、発言することもさせない、多様性を受け止められない「社会の側」に問題の本質があると考えます。」なんてよくわからないキレイ事発言で終わってるよね。自分の目で事実を確認しようともしていない。結局、本当かどうかなんて大した問題ではないんですよ、この人にとっては。

これは個人的な見解だけど、「被爆の事実を隠した」広島、長崎原発の被害者ってそれほど多くはいなかったんじゃないかと思う。ただ、もちろん結婚の障害になったり、差別の対象になったりという事がなかったことは無いだろう。とは言え、団塊世代で広島出身者が特段差別されたということもそれほど聞かない(両親が広島出身で被爆者または二世だから、そこから聞こえる範囲では、だけど)。

むしろ差別を助長しているのは、現時点ではそこまで問題にならないレベルの被曝によって、奇形児の問題が出る、という嘘をつく側だろ。本当に奇形児が生まれて、それが原発事故の影響というのであれば、原発周辺の人達は今後その事実が結婚の障害になる可能性があるよね。だからこの問題はデマが他人の人生を左右するというとても重要な問題なんだよ。事実であれば選挙の争点になるくらい重大な話なんだ。とてもじゃないけど選挙運動の話の枕にしていい話じゃない。「差別をなくそう」と謳っている党の候補の発言としてはもうそれだけで公認落としていいレベルの非常に低レベルの発言。事実としたらそんな事実をこんなところで軽く扱っているだけでも公認落として以下略。

この手の「反差別」というのは結局当事者の問題をおざなりにして自らの正義を主張したいだけのことがあるので注意してみていきたい。