驚くべきことに、事故後も販売していた?

問題のシュレッダーが事故後にも販売されていたことについて、某報道番組は一体何に驚いているのだろうか。シュレッダーに挟まれて指を失った子供は確かに可哀想ではあるが、そもそも子供の日常には危険がいっぱいである。かくれんぼで浴槽や洗濯機に入ったり、ベランダを乗り越えようとしたり、台所から包丁を持ち出したり、コンセントにフォークを突っ込んでみたり。放置していると危険な行動を想像することは容易である。業務用のシュレッダーが家にあるのであれば、単に危険な物体が一つ増えたに過ぎない。自動検知して動くと言っても子供がいるのが分かっているならば普段は電源を切って置けばよろしい。馬鹿とはさみは使いようなのである。
はさみを使った痛ましい事件は有史以来数え切れないほど起きているはずだが、製造中止になったなんて話は聞いたことがない。もちろん、今のはさみは昔のものと比べて先が尖ってないとか刃が鋭すぎないとかありますが、それでも業務用の裁ちばさみなどはやっぱりそれなりに尖っている。
普段業務でシュレッダーを使っている人なら、一度や二度ははっとした事はあると思う。首にかけている入館カードが巻き込まれそうになるとかね。そのくらい危ないもの。指が入るようなものを使っているところは少ないと思うが、指どころか腕が入るような大物だって存在する。そういうものなのだ。道具にもTPOというものがあり、それに合わないものを使用することにはリスクを伴うこと、そのリスクを少しでも減らそうと努力をすることが安全性への取り組みだ。だから、少しずつ、利便性と安全を両立させる方向に向けて進化していくことと思う。しかし、業務用というのは本質的にはプロが使用するものであり利便性を犠牲にするものではないので、それを求める顧客向けの製品を売る以上は事故を減らすことはできても無くすことできないだろう。今回何がいけなかったかというと、家に置くために指が入るシュレッダーを選択してしまったことであり、もし販売店に強く勧められたのであればそれは販売店の配慮不足であるし、買った人が自ら選択したのであれば、不幸なことではあるが想像力が欠如していたということが原因の一端といえよう。もちろん店員も注意喚起すべきだが。
メーカーが責められるとすれば、事故の報告を受けた直後に取扱店に注意喚起をしていなかった?ことくらい。(業務用としての)製品自体の欠陥ではないのにこの責められっぷりはちょっとおかしい。
ともあれ、シュレッダーはまだ発展中の製品であり、業務用であれこういう事態を防ぐギミックが搭載されていくことを強く望むものです。シュレッダーだけの問題じゃないよね、これは。