Michael Breckerを悼む

生粋のジャズリスナーでない僕は、大学のBig Bandに入ったことがきっかけで持っているCDの量としてはジャズのほうが多いという状態になるまではたいした時間がかからなかった。もういわゆるフュージョンの時代は終わりを告げようとしており、ストレートアヘッドなジャズが復権してきている時代。しかし、Michael Breckerの名はご多分に漏れずBrecker Brothersと言う存在から噴出しているようだった。今思えば勿体無いことだが、まだクラシックの世界から穏やかに移籍している最中の当時の僕にはロックの、あるいはファンクのかっこよさというのはそれほど理解できていない。
コンテンポラリーなビッグバンドをやるバンドで避けて通れない悲劇は、ろくな音源がないことだ。自然と買う枚数だけが増えていく。しかし、彼らの名はいろいろなバンドで目にする。フュージョン系の人ではないのか(←なんという無知!)。
この年代のプレイヤーのご多分に漏れず、ジャズ好きの親の影響でいろいろ聞かされた兄弟は、これまたご多分に漏れず、コルトレーンに衝撃を受け、ジャズの道を目指す。ファンキーで豪快で底抜けに明るいブレッカー・ブラザーズで人気を博す一方、スタジオミュージシャンとしてもその実力を発揮し、評論家からは邪道扱いをされつつも自分の道を行く。ステップスへの参加やパット・メセニーの80/81に参加したくらいからフュージョンからジャズの本流に近づいていく。そして、90年代半ばにして巨匠としての地位は揺ぎ無く。そのスタイルはコルトレーンから大きな影響を受けている一方で大きくそこから解き放たれているようにも見える。フレーズそのものは、好き嫌いが分かれるところではるけれども、全く彼独特のものだ。
何気なくSMAPのバックバンドとして参加しているような懐の深さもある彼は、親日家でもあり、何度となく来日していたのに、ついに生で聴く機会がなかった。一度倒れてから、復活を遂げたとき、また元のように豪快なサウンドを聴かせてくれることを期待していたのだが、それも果たせぬ夢となった。二週間前に完成したと言うアルバムを残し逝ってしまった。あの世で先に逝ったプレイヤーたちとバトルを繰り広げているのだろうか。
せっかくなんで何枚かアルバムを紹介。

ヘヴィー・メタル・ビバップ

ヘヴィー・メタル・ビバップ

初期の代表作にしてなにものも越えられない何かを持ったライブ版。ドラマーがロック系のために、ちょっと違った感じのグルーブがあって面白い。
サム・スカンク・ファンク

サム・スカンク・ファンク

ブレッカー・ブラザーズがビックバンドで復活。Vince Mendozaの衒いのないアレンジの元、Peter Erskine、Will Leeらのリズム隊にのって豪快に吹きまくる。
80/81

80/81

メセニーもフュージョンの人と目されていたのをここで覆すかのように力の入ったアルバム。マイケルはちょっとフリー気味に吹いていますが、フレーズそのものは後年のものともあまり変わらず、らしさが全開です。
Michael Brecker

Michael Brecker

遅れてきたリーダー作と言われる名作…ですが、持っていないのでちゃんと聴いてない…
Time Is of the Essence

Time Is of the Essence

このバンドを作る才能。ドラマー3人が入れ代わり立ち代わりでまさにその曲にはこの人、といった演奏を繰り広げます。