天使の囀り / 貴志祐介

たまにはこんなのも。ホラーと言うか、パニックSFかロビンクック的医学サスペンス?。アマゾン探検ツアーの参加者が相次いで自殺。参加者の作家の恋人で精神科医の女性を主人公に、自殺の謎を追及していくと、そこには世にも恐ろしい災厄が今にも解き放たれようとしていた…ってな感じ。恋人の作家がアマゾンから送ってきたメールの内容と、帰国してからの奇行と自殺の関係がキーになっているわけですが、それほど目新しい感じでも無いのは読むのが遅かったからかな?
すっぱりと終わってしまうのも本当はホラーとして書きたくなかったんじゃないかという印象。というか、クライマックスの描写を除いてそんなにホラーっぽくないな。
簡単にネタバレしてしまうので、内容にはあまり触れません。ツアーが遭遇した、かつてそこで研究していたけれど、妻を殺して夫は自殺した研究者夫妻の行為の意味と、今そこで起きていることの繋がりを発見し、次に起きることが予見された瞬間がいちばん怖かったな。
ところで、瀬名秀明が解説でべた褒めなのはどうかと思う。この人褒め好きだよね、基本。