痛くも痒くもないコメント

僕は何かを書くときに、確信をもって書いていることはそれほどなくて、事実を引いたときも、自分の目で確かめたものでないことがほとんどだから、反証を持ち出されたときに、はなから捨て去ることなんてできません。だから、「そんなことも知らないで書くなんて馬鹿じゃないか」的なコメントはその場では何も対応しなかったとしても、次に同じようなことを書くときのために心に留めて置いたりします。
その一方で、単に「程度が低い」「最低」というような全く比較の対象がなんだかわからないコメントについては正直自分に向けられた言葉だとは思えません。それを発した人が、自分の中で何がしかの相対的な評価をして、それを感想として述べたものであり、批判にはなり得ないからです。
世の中に完璧な考えがあるとしても、それを僕が手にすることは多分無いので、ツッコミというのは常に貴重なもので、しかもありがたいことに全部を取り込まなければならない義務は無いのですから、有用な意見(自分の説に対してネガティブかポジティブかは問わない)はピックアップし、反論の必要性があるものには反論し、相手をするまでもないものは無視する、ということができます。評価は読んだほうがしてくれるだろうし、僕はみんなを説き伏せたいわけではないですからね。その場でコストを払えない場合には「コメントありがとうございます。次回の参考にさせていただきます」で済ませばよいし。少なくとも、ブログに文章を書くことで生活の糧を得ているわけではない以上、まずこのラインがあって、その上でそれ以上のことをやるかどうかっていう話だと思っています。まあこれは単に僕のスタンスですけどね。
ブログが自分のリアルワールドと直結していて、言論人として自分の論を守らなければならない立場の人には同情とともに憐れみの気持ちを送りたい。ウェブは無制限の反論の場を可能にする世界であり、それをいちいち気にしていては心が持たないんだけど、多分それまでの世界でやってきたことをそのままやろうとしてしまっているんですよね。お気の毒。