当たり前だけど、使いたい奴らが何とかすればいいんだよ

という発想。

  • 俺は権利者だ。勝手にWebに上げている奴らは権利侵害だ。
  • そんな奴がいっぱいいるサービスをそうと知って使っているんだろ
  • だから、リセットされてあげなおすくらいは利用者がやればいいだろ

そういう感じだよね、きっと。

会見後の筆者の取材によると、松武氏が口にした「リセット」とは「究極的には、サーバ内にあるすべての日本発コンテンツ(正確には著作権を侵害している内容)を一度、すべて削除する」(松武氏)ことを指しており、JASRAC・菅原氏も同様の意思が24団体の総意であることを暗に認めた。

「日本発コンテンツは一度リセットせよ」--YouTube問題、国内権利団体が2回目の協議開催 - CNET Japan

もちろん、何が著作権を侵害した著作物であるかなんて権利者側が全部を調査しない限り、機械的にわかるわけないんだから、正確にはという言葉は全く意味が無くて、単にポーズに過ぎないわけです。日本発コンテンツを日本在住者以外があげることまで考えると、全部消せ、って言っているに等しい。
で、発想としては、先にあげた箇条書きそのものは正しいのだけど、YouTubeの財産とは何か、っていうと、今あるインフラそのものではなく、そこに蓄積された大量のコンテンツにあるわけで、それを消せっていうのは俺のためにお前は死ねって言っているのとほとんど変わらない。
ひとつの考え方として、YouTubeは、開始の時点でその状況を予想していたはずで、自業自得、というのがあると思う。その一方で、仕組みの提供と、それを利用者がどう使うかは切り離せる、と考えることも出来る。
権利者団体が本当に共存したいと思っているのであれば、一番いいのはYouTubeと協力して見せしめ的に侵害者を何人か捕まえることと、今後の監視体制を協力して作り、侵害に対しての強硬手段を辞さないことを表明することなんじゃないかと思う。そうじゃなくて、消せって要求するのは、インフラを握られていることに対する抵抗が根幹にあるんじゃないかな。つまり、自分たちの管理下で(もちろん広告収入が入る状態で)、やりたい。
YouTubeが大きさ的に無視できる程度のサービスであれば、こんな話にはならなかったかもしれないけど、もう出遅れたどころか差を埋めるには潰すしかない状態というのを認識して、この話に至っているんじゃないかって思うんだけど、一方で、潰すよりは利用することを前向きに考えるコンテンツ事業者も出てきている状態。この争いの決着のつき方次第で、また一つウェブの未来像が見えてくるように思える。