無断リンク禁止論、大いに結構…だが

原則論は原則論として、別に無断リンクをされたくない、という気持ちもわかるので、言うなとは言わないのだけど、何度か述べたとおり、現時点では法的には禁止されません。リンクはコンテンツとしてはリンク元のものであり、また、URLという公開情報を載せているだけであるから、コントロールも出来ない。
だから、大いに述べることは結構だと思うのだけど、「リンクされたくない」という目的と、無断リンク禁止を主張することは実は大抵の場合、合致しません。
無断リンク禁止を主張することで問題になる場合、結構な確率で、

  • それが常識と主張している
  • リンクされたら訴えますなどと言う
  • 実は自分は無断リンクしている

というような問題があり、そこまで言われたら原則論を持って反論するしかない、という流れになっているんじゃないかと思います。無断リンク禁止禁止派だってできれば原則論なんて持ち出したくない、って思っている人が結構いるんじゃないかと思うのですが…
少し斜めから見ると、価値観や物事の捉え方の差の問題なんですね、これは。だから、妥協点を設定することは出来るはずなのですが、そのためには「禁止」と言う言葉は強すぎます。禁止することが正しいとすると、そうではないと思っている人の捉え方を全否定することになるから、相手の反論は「禁止禁止」にならざるを得ません。そういうこと。
ただ、その妥協点が見つかったとしても、それを無視する人は当然いるわけで、その人に対して法的な責任を問うことも(現時点では)できないわけで、そういう人がいる以上、「リンクはされるものだ」と思っていたほうが幸せになれると思います。
もし、それでも「無断リンク禁止が本来のあるべき姿である」と言うのであれば、周りでは常識、とかこういう場合はそうすべき、見たいな話ではなく、ウェブの根幹というか、さっき述べた「リンクはされるもの」と言う部分を転換することにチャレンジする必要があります。これは、場合によっては立法まで持っていかないと転換できない問題です。そして、もしその転換に成功したとき、ウェブがどういう世界になるか、今使っているサービスがどうなるか、そういうところを考えてみると、それが可能であるかどうかの答えは自ずと明らかになると思いますよ。