コピーしちゃダメなら、メディアに対する最大限の保証をすればいい

と言うのはhttp://d.hatena.ne.jp/bn2islander/20071018/1192715967を読んで考えたことなのだけれども。
まず前提として、私的複製という権利自体は常に認められるべきであると思っている。しかし、それが違法コピーなんかに繋がるのも確かだ。ならば、その建前上の、「バックアップとして」の私的複製の代わりになる仕掛けを提示すれば良い訳だ。すなわち、見れなくなってしまった状態から回復する手段を用意せよ、ということ。でもこれは多分無理。コスト的に。大体、テレビの録画の扱いなんかはもうどうしようもないしね。
もちろん未来永劫再生が可能であることを保証せよ、と言うのはハナから無理難題だし、そんなことを求めているわけではないけれども。でも視聴手段の移送に関しては、業界としては何かを考えるべきだと思う。だってさ、僕は本を読むのは通勤の行き帰りだよ。同じように、映画やドラマを見るのが通勤時間って人もいるだろうし、ポータブルメディアへの移送を許さないことは機会損失だよ多分。だって通勤時間以外で本を読む時間少ないから。同じでしょ。
ポータブルメディア用の媒体やライセンスを買えって話かもしれないけど、気に入ったらいい画質で大きな画面で見たいわけで。
今の状況は、すごく近視眼的に見ると、著作者としての権利保護VS消費者としての権利確保であり、お互い建前と本音はある部分では乖離していると状態だと思う。「文化の発展のためVS消費者の保護のため」の裏側は「権利者の利益の最大化のためVS消費者の利益(ここでは私的複製の濫用によるタダでのコンテンツ入手可能性確保)」でも蓋を開けて満たないと実際にどっちに転ぶかはわからない。権利者側の保護が進んだときに、その分で値段が安くなるようなことがなければ、長い目で見れば利益確保と言う目的は失敗すると思っているけれども。
悪いことをする権利を守りたいって言うわけでもなんでもなく、得たはずのものを過失なくして失ったり、何の気なしに横断歩道を渡ったら「ここは女性専用横断歩道だ。ちゃんと注意書きが書いてあるだろう」と言われて逮捕されるような、そんな居心地の悪い世界にコンテンツがおかれるようなことにはなって欲しくないってだけなんですけどね。なんだかそうなりそうですね。
みんな潜在的には犯罪者予備軍なんですよ。理屈の上では。うっかり無灯火で逮捕とかね。悪いことをする意図があって犯罪が成立するわけでもない。けれど、娯楽において、それを生業としない人が、犯罪を意図しない行為で容易に犯罪者になりうるような、そんな法律はいらないんだけどなあ。