ミサイルマン 〜平山夢明短編集〜 / 平山夢明

ミサイルマン―平山夢明短編集

ミサイルマン―平山夢明短編集

死んだ。しっかりと別世界にいざなわれた。相変わらず生々しい描写で多分グロが苦手な人はそれだけでも引いてしまうのだろうけれども、なぜか手足にベタベタまとわり付く感がない。それは菊池秀行のエログロにも似ているのだろうけれども、それは行為そのものではなく、その意味にまで昇華された文章が登場人物の純粋として描かれているからかもしれない。頭のネジが一本抜けると、一つの愛嬌が開放されるのかもね。何篇かの感想。

  • テロルの創生
    • 限りなく絶望的なSF。未来があるようでないようであるような、そんな読後感
  • けだもの
    • 佳作。獣人の悲哀。人間でありたいことと人間であることと人間と。人間であるために人間を捨てる行為の非人間性。様々な矛盾。
    • コレクターとは因果なものである。枷を外すべきか否か迷ったときの行動は非コレクターには計り知れないかも知れない。このような究極の選択を迫れることもあるまいが。しかし、最初に出てきたタナカは一体なにもので何が目的だったのか…
  • ミサイルマン
    • 頭おかしいよ

描写だけ抜き出すと、多分抜きん出てグロいのだけれども、この読後の清清しさはなんなのだろう。こういうのは読んだことのない人にはどうにも説明しづらい。でもあんまり人に勧めると人格を疑われるような気がする(笑