混合診療って悪いの?

地裁の判決とはいえ、原則禁止されている混合診療を実質認めるような判決が出たと言うのは画期的です。しかし、僕の半径3クリックくらいでは批判的な意見が強いですね。
混合診療に対しての様々な論はWikipedia上(混合診療 - Wikipedia)に結構まとまっている(独自研究扱いなので消えるかもしれませんが)のであえて書きませんが、医療費削減が政治の課題になっている昨今、これだけの議論を呼ぶことは必然ではあります。
さて、原則として効果的な治療はすべからく保険適用すべしと言う立場から言うと、今回の判決は原則の危機でありますが、混合診療になって保険が効かなくなるがゆえに(全体を保険外診療とすると払いきれないので)泣く泣く諦めていた人には朗報です。どんな話でも、長期的な視野に立った原則と、短期的な、今そこにある問題があり、社会として(政治として)どちらを優先するか、と言うのは難しい問題です。人権とかそういう話になってくると憲法が絡んできて複雑ってのもありますが。
僕は混合診療そのものは患者の選択肢としてあってもよいと思うのです。本来保険を適用するか否か、と言うことについて、混合診療だからと言って検討が止まってしまわないのであれば。そこを何とかすると言うのは非常に重要ですね。だから、ある程度の原則は設けるべきだと思います。例えば

  • 既に保険適用外の判断が主に効果の面での疑義によりされており、保険診療になる見込みが無いものは混合診療を認めない
  • 今後適用されるかも知れないが臨床データが不足しているものは、保険診療にするかどうかの判断のための臨床データ収集を原則として混合診療を認める。一定期間後評価されなければならない
  • 要治療状態以外のものは従前どおり混合診療は認めない
  • 現在保険診療とされているものについては、治療の効果に疑義が認められない限り、保険診療から外すことは行わない

と言う感じで、高度先進医療などに当てはまらないけど、将来有望だったり、他国での実績があったりするものについては時限的に、保険診療をするか否かの判断材料にすることを原則として、認めても良いようには思えます。まあでもそこにも一つ認可のハードルができるわけではありますが。