幻想のロングテール

Amazonの配送料算出方法変更が話題になっていますが、変更理由を邪推すると、配送料無料になる金額までついでに買わせるビジネスの行き詰まりなんじゃないかと。主要商品が書籍からシフトしてきたからかもしれませんが。
今まで買わなかった商品が品揃えされていることがロングテールの背景としても、それを買う動機が必ずしもそれが欲しいからとも限りません。むしろ、

  • 前から気にはなってたし、
  • レアっぽいし、
  • ネタだけど、

買うと送料無料になるからついでに買っていたことが幻想としてのロングテールを生み出していただけで、その商品にはやっぱり売れるだけの価値はあまりなかったかもしれません。
在庫商品が揃えば揃うほど、本当に欲しい物のみを選択する可能性は上がっていきます。だから、システム的仕掛けが動機になるロングテールと言う現象は、商品が「ある」だけではなく、適度に「ない」ことも必要ではないでしょうか。そして、Amazonはその域を超えてしまったから、真っ当な配送料で勝負したいと。定額の配送料のプレミアはヘビーユース想定もあるけど、ロングテールの余地を残す為ではとも思います。
斯くしてWeb2.0の魔法は解けていくのです。
ロングテール部分は企業ではなく個人が担っていくものかもしれません。