ホメオパシーと医療リソース

「痛いの痛いの飛んでけ」で直るものまで全部医者に行くことは医療費の無駄である。
とすると、ホメオパシーで直る(あるいは直った気になる)ことで医療費を使わないことはよいことである。保険使わなければ。
老人が病院に入り浸るのも、ある種の代替医療かも知れないと思ったりもする。これは保険のリソースを消費するから避けたい(だから後期高齢者という発想になるのか?)
問題は、ホメオパシーや自然療法なんかが、本来コントロール可能な医療リスク(例えば健康診断⇒精密検査⇒早期治療)をすっとばして、結果として重篤で時間も金もかかる状態にして余計にリソースを消費する可能性があるかどうか、ということだろう。
保険制度みたいなものは目的は人を上手く救うためだとしても、その運用は統計的なもので行われるわけであって、あまりにそこから外れるものが多いと成り立たない。もちろん、医療の現状を正確に掴むことは神ならない身としては不可能ではあっても、上がってきたデータから健康診断の効果や早期治療の効果というのはある程度わかった上で運用されているだろう。
となると、統計の対象にならない治療をした結果として、突如保健医療に割り込んできた重篤な症状というものの割合が増えてくると、統計的なデータにバイアスがかかり、結果として、普通に保健医療を受けている人たちのリソースを圧迫したり、本来提供されるはずの医療が提供されなくなったりする怖れがある。
保険制度がなければホメオパシーでもなんでも受ければいいとおもうんだけど、「日本では保健医療を医療政策とする」という合意がある中で、あえてそこから外れたことを行うと言うことはあまりいいこととは思えない。「代替医療で直らなかったらしかたなく普通の医者に行く」ということを公言する人もいるらしいけど、代替医療と心中して欲しいなあ。