OS更改と端末に依存しないアプリケーション

誰だよ、「ウェブアプリケーションにしておけば端末なんて何でも大丈夫!」なんて言った奴は。
実際にはJavaScriptとか言う組み込み言語の仕様がブラウザごとに異なったり、見た目はまあどうでもよいんだけど崩れてみたり、セキュリティーの設定とか手順とかが全然違ったりで対応が大変なんだよ!手順書がないと使えない人のことなんて考えてないんだよ!これだからGeekは!
なんて言ってみる。かっちりと色々決まる前に次々と業務システムに採用されてしまった悲劇ではありますが、ウェブブラウザだからどこからどんな端末でも〜みたいな売り文句は限られた範囲でしか通用しないわけですね。もっとも、限られていない世界の方が広いけど。
それでも、OSに依存しないアプリケーションというのはまず大きな成果だったとは思います。
間違いを出来るだけ少なくシステムにおいて、見た目の問題、手順の問題というのは想像以上に大きいです。銀行の行内システムなんて頭のいい行員が使うんだから臨機応変に出来るようにしろよと思ったこともありますが、実際に使っているのはまだ自動化されていない紙をパンチするバイトのおばちゃんだったりするわけで。あるいは、法令順守の為に複雑怪奇な入力チェックをしなければならなかったりして、一定の手順が確立されてないとそのことで問題が起きたときに金融庁に怒られる!そう、諸悪の根源は金融庁!…はいいすぎだけど、そんなところが無きにしも非ず。
だからと言って、OSやブラウザに依存し続けるシステムをこれからも作り続けるのは馬鹿げています。

なぜ、ビスタが職場で普及しないのか。ある大手建設会社のシステム部長の見解は明快です。「ビスタはシステムの継承性を十分に考えていない」というのです。同社は、ウィンドウズ2000上で自社開発の専用アプリケーションを動かしていましたが、それらがビスタ上で動くか検証したところ、何と500以上のプログラムが正しく動作しなかったそうです。

ビスタが会社で広がらないワケ | 日経 xTECH(クロステック)

ほうほう。システムの継承性と。確かにそのとおりではあります。専用アプリケーションの寿命はOSと共に終わると考えるのは少なくともWindows2000当時は乱暴な考え方だったと思います。しかし、当時から、プラットホーム依存のアプリケーションの将来性についてはかなり悲観的な見方があり、Javaにしろ、.NET Frameworkにしろ、そういった部分の依存性を排除する方向に動いていたのがトレンドであったわけです。つまり、将来を見誤った。もちろん、企業のシステム部にその責任を負わせるのは酷ではあります。でも情報システムが社会インフラとして確固たる地位を占める今、ICT戦略の誤りが会社を路頭に迷わせることなんて日常茶飯事で、そういう意味では営業戦略の失敗により〜みたいなのと同じくらい大きな過ちだったかも知れません。

ビスタに移行するには、少なくとも15億円以上のコストがかかるそうです。「それだけのお金をかけて、わざわざ現場の混乱を招くようなことを誰がしますか」とシステム部長は語気を強めます。同社は現在、ウィンドウズ2000からXPへの移行を進めています。

ビスタが会社で広がらないワケ | 日経 xTECH(クロステック)

次のタイミングでは予算があるといいですね。