小型HDDに明日はあるか

3.5インチHDDメーカーは厳しい情勢。SeagateのCEOは辞任し、会社として戦略の見直しを図っています。そういう情勢の中、2.5インチ中心の東芝が同じく2.5インチ中心の富士通のHDD部門を買収。

東芝が、パソコンやデジタル家電などのデータ記憶装置として使われるハードディスク駆動装置(HDD)事業を、富士通から買収する方向で最終調整に入ったことが14日わかった。

http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20386487,00.htm

しかし、去年のPC業界の大きなトピックとしてはSSDの躍進があります。これは完全にポータブルなHDDを置き換える方向で動いている。もう100GBを超える製品が年末くらいから当たり前に手の届く価格で出始めています。出た当初はフラッシュメモリがこんなスピードで大容量化するなんて誰も思っていなかったのだろうけれども。
稼動部品、特にスピンドルモータのないハードウェアで軽量省電力となれば、モバイル用途でHDDを駆逐していくのは当然です。一方、2.5インチHDDは3.5インチに比べて容量、性能の面で不利ですね。とくに価格容量比。だから、小さいという利点がいかせるモバイル用途から追い出されてしまうと、行き先が少なくなります。
モバイルはSSDを使用することで耐衝撃性の設計が変わってくることも利点でしょう。HDDの大容量が必要な場合、外付けでもいいように思えます。ノートPCに動画沢山、というのも無理のある運用方法だしねえ。
ただ、依然として絶対的な容量ではSSDには当分勝てるだろうから、動画のメディア系に活路はあるのかもしれません。シャープはブルーレイをテレビに内蔵しちゃったけど、HDDを使ったカートリッジ(これは昔から出ては消え、出ては消えの失敗メディアなんだけど)をうまく標準化できれば2.5インチや1.8インチのポータビリティーを生かした展開は可能かと思われます。ただ、そのためにはダビング10やらなんやら面倒な話が排除されないといかんですよね。結局HDDにあるのを円盤メディアに焼かないと他の人の家に持ってもいかれないようだとね。
さて、この買収戦略は、何を見据えてのものなのか。PC業界に限った情勢で考えると捨てるべき事業だと思われるのでSSDにリプレースされないところとしてフォーカスされてる分野はどこなのか、注目したいですね。