形の上で公平にすると金がかかる

このまま設計できるんでは、と思われるような詳細なRFPを受け取る。なんかこう、出来レースの当て馬にさせられている疑惑とかもある。入札を行っても、一番安いところには必ずしもならない。妥当な提案、特に裏に秘められた意図的なものを汲み取った提案は当然事情に通じているものが有利だったりする。でも、形式上、こういうことをせざるを得なかったりする。RFPを出してからプロジェクトが始動するまでのコストと期間を考えると、もったいないことも多い。

また、予算の効率的な活用および透明性の確保に対し、国民の目が厳しくなっている昨今、官公庁におけるIT関連投資についても見直しが求められるようになりました。こうした世論を受けて、情報システムにかかわる政府調達制度を見直す動きがここ数年顕著になってきており、上記IT戦略にも、効率的な情報システムの調達を目指す政策が盛り込まれています。

公共サービスにおける「システム導入の勘所」 (1/3):味わい深いシステムを開発するための業界知識(5) - @IT

政府系の調達管理なんてある程度の規模に達するとたしか国際調達が義務になっていて、RFPを出さないと外国から文句を言われる。もっとも、ぼったくられていたという過去があるからやむを得ないのかもしれない。
でもねえ。要件調査してRFPまとめて、国際調達だと半年は最低でも間が開く。RFPを作った優秀な人たちを半年以上抱えておく合理的な理由があればいいけど、なければ当然去っていく。開発が始まるときには新しく入った技術者たちが一から勉強しなおすというのはばかばかしい。
RFPを出さなければならないことを避けるため、プロジェクトの単位が細かく分割され、契約が入り組み、誰がどの作業をやっているかが判然としなくなる。管理工数がかかり、障害が出て、リリースが増え。ばかばかしい。
相見積もりになってぼったくりがなくなる、と言っても今までぼったくりだったのがおかしいだけであって、真っ当な会社に提案依頼したら、それほどぶれのない数字になってくる。
もちろん、RFPを出す目的は、コスト削減のためだけではない。むしろ、透明性の確保、言った言わないの排除、そもそものシステムの目的の明確化などなど、いろいろある。コストをかけることには意味がある。でも、そこに公平性を求めすぎると、百難あって一利なしになることも。お抱えベンダー使ったほうが安くてバグも少ない、というのはよくあること。