もっとも差の出る再生装置

まあ、USBメモリSSDだHDDだアナログだデジタルだなんだかんだ言っても、結局のところ、もっとも差の出る再生装置は人間の頭なんだよね。
音源のソースの記憶装置によって、計測機器には捕らえられない差が出るという意見がある。
でもそれは多分、人間の主観による差。ダブルブラインドテストを行って有意な差が出なくても、これがどっちだ、とわかって聞くと差が出るものですよ。
ちょっと前に目にした話で、某シェアナンバーワンのビールはブラインドで飲み比べすると一番評価が低くなることが多い、というのがあった。人間は舌が捉えたもの、目が捉えたもの、鼻が捉えたもの、触覚が捉えたものを脳で統合し、味として組み立てる。何か一つの感覚が遮断されると、味が異なる、というのもない話ではない。舌からの入力では足りないものを補完しているのかもしれないしね。
「音がよさそう」という見た目と、それに費やしたお金の存在が、実際に脳内で再生される音を良くしているのであれば、実質的な意味はあるだろう。なにしろ波形がまったく同じであることを知ってなお、差異があると感じるわけだから、確実に脳内再生音は変わっているのだ。もしかしたら、USBメモリの見た目を入力することにより、鼓膜の柔軟性が変わり、音が変って聞こえるのかもしれない(もちろん冗談だが)。
僕はといえば、CD-DAだろうがMP3だろうがAACだろうが、音楽が聴ければ幸せだ。楽器の音につやを出すのは僕の想像力の仕事なのではないかと思っているし。