無断リンク禁止問題は技術論そのものではない

無断リンク禁止、というのはウェブが当初想定していた利用方法からは思いもよらない類の主張であり、理念に反するものだ。ウェブの実装から生まれた「リンクは防げない」という技術的な制約があるから忌避されているもの、ではない、と思う。なので、

おおよそIT系技術者であれば無断リンク禁止のナンセンスは理解していて、そもそもそんな主張をしてもしょうがないという価値観になってしまう事実がある。事実、無断リンク禁止を主張するのは矛盾に満ちた主張になってしまいナンセンスなのだけど、

無断リンク禁止問題とプログラミングの溝と - プログラマーの脳みそ

というところの、無断リンク禁止が今の実装に対しての無理難題を要求しているナンセンスさは理解できるとしても、無断リンクを禁止するための仕組みを考えようぜ、ということを制約するものではない。
僕が無断リンクをナンセンスだと思うのは、あくまで「もともとのウェブが作られた目的としては必要十分な実装において無理難題な無断リンク禁止を唱えるだけで実現可能と思い主張する」ことのナンセンスさなんだ。とはいえ、出来上がってしまった世界を変えるのも、新しい世界を作るのも難しい。だから、理念を受け入れるしかないというのが現状ではある。
ただ、ウェブの世界は始まった当初よりはるかにわれわれの日常生活に深く関わるところまでカバーされて来ているし、それに伴って仕掛けも進化している。無断リンク禁止がナンセンスでない世界はなくはないだろう。