考えることをせずにホメオパシーを信じるのは医者を無条件に信じるのと同じなんだな

今日もとりとめがありません。

かつて医療は呪術的だったし、今も多分にそんなところはあって、とはいってもこの200年くらいは化学の発展によって科学的な機能の解明もされて、メカニズムが明らかになっている部分を中心に医学として発展してきている。未解明のこともあるけど、疫学、臨床的な実験などなどによって大よそのところがわかってきているものも多い。
それでもなお、医療は万能ではないんだよね。
治ればいいって言う立場の患者としては、メカニズムなんかには興味ない人が結構多いと思うし、そのことがかえって治らないことに対しての不満になるんだと思うけど、メカニズムに全然興味ないのではそれはもうはなから呪術的な医療以上のことを判断する気は無いってことだよね。あの医者はヤブ、という噂だけで忌避できちゃうレベル。
でも医療は最低限の基礎知識を理解する人たちだけのものじゃない。だから、医療は免許制度なんだろうね。
ただ治ればいいっていう人にとって、ホメオパシーが科学であるかどうかなんてのはまったく問題じゃなくて、それが科学を標榜していることすら問題ではない、ってのはホメオパシーの側からするととてもありがたい存在だろう。このことは、普通の医療にとってもいえることで、無条件に信じてくれたほうが治療はやりやすいし、自然治癒能力も発揮しやすいだろうと思う。
であるならば、医療が科学であることは、誰にとって大事なことなんだろう。言うまでもなく、これはわれわれ患者の側の問題なのだよ。
万能じゃないにしても、できるだけのことをしたい、と言うときに、標準医療の医者にも腕の差や誤診はあるだろうし、新しい治療法が開発されたりもしている。だから、近所の医者だけでなくいろいろな評判で医者を渡り歩いてみたり、ということは合理的な行動だと思う。藁にもすがる思いでホメオパシーにいってしまうのは、信じていないものから見ると不合理極まりない行動だけれども、当人にとってはそうではないだろう。
おおよそ、専門外の人は全てを把握できないことについて、標準が示されているのにも関わらず、それを逸脱しようとするのは完全に自己責任の世界ではあるけれども、標準だって所詮評価できない身としては信じるしかない代物ではあります。国が中年を殺したがっていると陰謀論的に信じるのであれば、メタボ検診は悪の所業かもしれない。ってなことを言い始めるときりが無いわけであって、どこかで信じるポイントを作らなければならないわけです。まあ、国が標準の医療として認めて免許出しているものであれば最低ラインはクリアしているだろうと推測すべきなわけで。そういえば、イギリスだっけ?長きに渡るホメオパシー公認が終わりを告げようとしていますね。


で、ある種の医療の中に、われわれは科学に基づいている、と言っているにも関わらず、その内容が科学的にまったく筋が通らないものがある。これを科学的見地から非難する、というのは実に親切な話ではあります。問題は、それを理解できない、あるいは、理解しようとしない人にとって、自分が信じているものを否定するだけの言説に見えてしまうところですよね。とはいえ、洗脳をとくのが非難の目的ではなく、新たに騙される人を少しでも減らすのが目的と考えるとまあいいか。

タイトルは、どうせ無条件に信じるなら、標準医療のほうを信じてみようよ、と思いつつ書きましたが…